石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」 2013/6/5
(10)時には講座の案内を
投稿日時:2013/06/05(水) 08:48
先週末は、明治大学との定期戦。チームは東上したが、僕は西宮に居残り、授業とカルガモの観察に専念していた。だから、ゲームに関係したレポートは出来ない。
代わりに大学構内にある新月池、つまり大学の学長室や企画部、広報室などのある本部棟の裏手にある農業用ため池に住み着き、そこで可愛い赤ん坊を産んだカルガモの話をしてみたい(フットボール以外のことには関心がない、という方はここからの数十行は飛ばして下さい。母校の消息なら何でもオーケーという方は、しばらくおつきあい下さい)。
毎年、この時期になると、カルガモの2世誕生を心待ちにしている広報室員の話では、今年、最初に子どもが産まれたのは5月27日。4羽のベビーが誕生したが、そのうち3羽は翌日、水路伝いに流されてしまい、残ったのは1羽だけ。でも、30日には、別の親から6羽の子が生まれたそうで、先週末には、この2組7羽のカルガモが泳いでいた。
この池の近くにある教室で毎週金曜日に授業を持ち、学生諸君に文章表現の講義をしている僕は、さっそく「今日の講義はなし。代わりにカルガモの親子を見に行こう。その感想を小論文にまとめてくれ」と提案。全員を池の畔に連れ出した。
ほかの教室では、みんなが授業を受けている時間に、何を好きこのんで、といわれるかも知れない。でも、学生たちにとっては、教室から外に出て、見たこと、感じたことを書く方が、僕の支離滅裂な講義より、はるかに楽しいだろう。外の空気を吸えるだけでも、気分が爽快になる。
たかがカルガモの親子である。天下国家の話ではない。でも、彼らが子どもを産み、育てる様子を観察することで、センスのある学生は景観保全から、親子の関係、教育の在り方まで、いくつもの切り口を見つける。切り口が見つかれば、まとめる作業は簡単。あれよあれよという間に800字の小論文が書き上がる。
これは、昨年のいまごろ、同じ新月池でカルガモが産まれたのを機会に取り入れた手法だが、今年も大成功。みんな普段以上に、精彩のある文章を綴ってくれた。
こんな授業をしていると、カルガモには特段の愛着が生まれてくる。新たに産まれた子どもは流されていないか、カラスにつつかれていないか、などと考え始めると、居ても立ってもいられない。土曜日もわざわざ登校して、カルガモの保護活動にいそしんだ。
なんせ、その可愛い姿を撮影しようと、大きなカメラを持った人が次々と来るし、子どもは遠慮なしに騒ぐ。目に余る時は「子育て中のカルガモは神経が過敏になっています。驚かせないようにお願いします」などと、丁寧に声を掛けるしかない。時には、注意した人からふくれっ面をされることもある。そんなときには、思わず「世話焼き親父」になっている自分を反省し、一体僕は何をやっているのだろう、と考え込んでしまう。
ファイターズの練習を見ているときの方が気楽だし、はるかに楽しい。
以上、主力選手が東京に出掛けて留守だった週末の報告である。
本題に入る。大阪・中之島の中之島フェスティバルタワー18階の朝日カルチャーセンターで開かれる二つの講座のお知らせである。
一つは元監督にして「アメフットの伝道師」武田建先生による『「怒鳴る」から「ほめる」へ』。もう一つは、昨年まではコーチを務め、いまはチームのディレクターをされている小野宏氏の『アメリカンフットボールの本当の魅力』である。ともに、朝日カルチャーセンター中之島教室の開講35周年記念講座として開かれる。
武田先生の講座は7月20日(土)午後6時半から。学校やスポーツの指導現場で相次ぐ体罰問題を受け、体罰による指導とは対極にある「褒めて育てる指導」について、心理学者の立場から、あるいはフットボール指導者としての体験から、話をされる。
小野氏の講座は8月31日(土)午後6時半から。昨年度の「甲子園ボウル」や「ライスボウル」の映像を解説しながら、戦術を駆使し、知恵と知恵をぶつけ合って戦うフットボールの魅力に迫る。戦後一貫して、日本のアメリカンフットボール界のてっぺんで活動してきた関西学院大学ファイターズの成長の核心に触れる話が期待できる。
料金はともに税込み2,940円(会員は2,520円)。朝日カルチャーセンター中之島教室(06-6222-5222)で受け付けている。
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◆朝日カルチャーセンター中之島教室
・7月20日『「怒鳴る」から「ほめる」へ』講師:武田 建
詳細こちら⇒http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=206489&userflg=0
・8月31日『アメリカンフットボールの本当の魅力』講師:小野 宏
詳細こちら⇒http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=207734&userflg=0
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↑↑上ケ原キャンパス・新月池のカルガモ親子↑↑
(関西学院広報室撮影)
代わりに大学構内にある新月池、つまり大学の学長室や企画部、広報室などのある本部棟の裏手にある農業用ため池に住み着き、そこで可愛い赤ん坊を産んだカルガモの話をしてみたい(フットボール以外のことには関心がない、という方はここからの数十行は飛ばして下さい。母校の消息なら何でもオーケーという方は、しばらくおつきあい下さい)。
毎年、この時期になると、カルガモの2世誕生を心待ちにしている広報室員の話では、今年、最初に子どもが産まれたのは5月27日。4羽のベビーが誕生したが、そのうち3羽は翌日、水路伝いに流されてしまい、残ったのは1羽だけ。でも、30日には、別の親から6羽の子が生まれたそうで、先週末には、この2組7羽のカルガモが泳いでいた。
この池の近くにある教室で毎週金曜日に授業を持ち、学生諸君に文章表現の講義をしている僕は、さっそく「今日の講義はなし。代わりにカルガモの親子を見に行こう。その感想を小論文にまとめてくれ」と提案。全員を池の畔に連れ出した。
ほかの教室では、みんなが授業を受けている時間に、何を好きこのんで、といわれるかも知れない。でも、学生たちにとっては、教室から外に出て、見たこと、感じたことを書く方が、僕の支離滅裂な講義より、はるかに楽しいだろう。外の空気を吸えるだけでも、気分が爽快になる。
たかがカルガモの親子である。天下国家の話ではない。でも、彼らが子どもを産み、育てる様子を観察することで、センスのある学生は景観保全から、親子の関係、教育の在り方まで、いくつもの切り口を見つける。切り口が見つかれば、まとめる作業は簡単。あれよあれよという間に800字の小論文が書き上がる。
これは、昨年のいまごろ、同じ新月池でカルガモが産まれたのを機会に取り入れた手法だが、今年も大成功。みんな普段以上に、精彩のある文章を綴ってくれた。
こんな授業をしていると、カルガモには特段の愛着が生まれてくる。新たに産まれた子どもは流されていないか、カラスにつつかれていないか、などと考え始めると、居ても立ってもいられない。土曜日もわざわざ登校して、カルガモの保護活動にいそしんだ。
なんせ、その可愛い姿を撮影しようと、大きなカメラを持った人が次々と来るし、子どもは遠慮なしに騒ぐ。目に余る時は「子育て中のカルガモは神経が過敏になっています。驚かせないようにお願いします」などと、丁寧に声を掛けるしかない。時には、注意した人からふくれっ面をされることもある。そんなときには、思わず「世話焼き親父」になっている自分を反省し、一体僕は何をやっているのだろう、と考え込んでしまう。
ファイターズの練習を見ているときの方が気楽だし、はるかに楽しい。
以上、主力選手が東京に出掛けて留守だった週末の報告である。
本題に入る。大阪・中之島の中之島フェスティバルタワー18階の朝日カルチャーセンターで開かれる二つの講座のお知らせである。
一つは元監督にして「アメフットの伝道師」武田建先生による『「怒鳴る」から「ほめる」へ』。もう一つは、昨年まではコーチを務め、いまはチームのディレクターをされている小野宏氏の『アメリカンフットボールの本当の魅力』である。ともに、朝日カルチャーセンター中之島教室の開講35周年記念講座として開かれる。
武田先生の講座は7月20日(土)午後6時半から。学校やスポーツの指導現場で相次ぐ体罰問題を受け、体罰による指導とは対極にある「褒めて育てる指導」について、心理学者の立場から、あるいはフットボール指導者としての体験から、話をされる。
小野氏の講座は8月31日(土)午後6時半から。昨年度の「甲子園ボウル」や「ライスボウル」の映像を解説しながら、戦術を駆使し、知恵と知恵をぶつけ合って戦うフットボールの魅力に迫る。戦後一貫して、日本のアメリカンフットボール界のてっぺんで活動してきた関西学院大学ファイターズの成長の核心に触れる話が期待できる。
料金はともに税込み2,940円(会員は2,520円)。朝日カルチャーセンター中之島教室(06-6222-5222)で受け付けている。
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◆朝日カルチャーセンター中之島教室
・7月20日『「怒鳴る」から「ほめる」へ』講師:武田 建
詳細こちら⇒http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=206489&userflg=0
・8月31日『アメリカンフットボールの本当の魅力』講師:小野 宏
詳細こちら⇒http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=207734&userflg=0
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↑↑上ケ原キャンパス・新月池のカルガモ親子↑↑
(関西学院広報室撮影)
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