石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
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(8)圧勝支える全力プレー
投稿日時:2024/09/09(月) 18:04
7日は今季2戦目の大阪大戦。3日に桃山学院大との戦い終えたばかりというのに、中3日の試合が組まれた。8月末から迷走した台風の余波とは言うものの、過去に経験したことのない過密日程に驚き、同時に選手諸君にけががないように、と祈りながら神戸ユニバー記念競技場に向かった。
グラウンドでは、京大と神戸大がロースコアの熱戦を繰り広げている。しかし、夕方とはいえスタンドには直射日光が照りつける。それを逃れるため、トイレの入り口付近の日陰に逃げ込むが、それでも熱い。
午後5時半。阪大のキックで試合開始。まずはRB伊丹が自陣11ヤード付近から左サイドを駆け上がってダウンを更新。続くプレーはQB星野弟からWR百田へ19ヤードのパス。さらに、ともに負傷から回復したWR小段とWR川崎に立て続けにパスを通してハーフラインを超える。ランプレーを一つ挟んで再び小段への長いパス。一気にゴール前に迫り、仕上げはエースRB伊丹のランでTD。大西のキックも決まって7―0。
こうなると先発メンバーに起用された1、2年生も落ち着く。逆に今季、1部に上がったばかりの相手は、前年の優勝チーム相手に自分たちの力を存分に発揮できないようだ。時にいいプレーが出てもそれが続かない。
あっという間に攻守交代。ファイターズ2度目の攻撃は自陣32ヤード付近から。まずはQB星野がミドルパスを通して相手陣に入る。相手がパスを警戒しているのを見極めると、今度はRB伊丹と澤井を続けさまに走らせてTD。キックも決まって14―0。
たたみかけるようなファイターズの攻撃を目の当たりにしたせいか、阪大の攻撃陣がぎくしゃくしてくる。ランは進まず、パスは通らない。わずか4プレーで攻守交代。
逆に、ファイターズの1年生QB星野弟は伸び伸びと持ち味を発揮する。例えば自陣47ヤードから始まったファイターズ3度目の攻撃。まずはエースRB伊丹を立て続けに走らせて14ヤードを稼ぎ、ダウンを更新。相手の注意をランプレーに引き寄せたうえで、すかさずRB澤井にパス。ダウンを更新した次のプレーで、今度はWR五十嵐に縦パスを通してTD。「これが今春、入部したばかりの1年生の動きかよ」との声が応援席から聞こえてきたが、まったく同感だった。
ファイターズはその後、第2Qに17点、第3Qに14 点、第4Qに21点を追加して合計73点。対する阪大は、随所にいいプレーが出るのだが、ファイターズの守備陣がその都度、適切に対応し、得点は許さない。後半からは次々に交代メンバーが起用されたが、大量得点を背景に彼らも伸び伸びとプレーし、最後まで得点を許さず、試合終了。
しかしながら、ファイターズが初戦で戦った桃山学院と同様、阪大も終始、知恵を絞った攻撃をかけてきた。この姿勢が続く限り、チームは成長する。彼らはやがて、京大、神戸大とともに関西リーグに並び立つ日が来るのではないか、という予感さえするチームだった。
グラウンドでは、京大と神戸大がロースコアの熱戦を繰り広げている。しかし、夕方とはいえスタンドには直射日光が照りつける。それを逃れるため、トイレの入り口付近の日陰に逃げ込むが、それでも熱い。
午後5時半。阪大のキックで試合開始。まずはRB伊丹が自陣11ヤード付近から左サイドを駆け上がってダウンを更新。続くプレーはQB星野弟からWR百田へ19ヤードのパス。さらに、ともに負傷から回復したWR小段とWR川崎に立て続けにパスを通してハーフラインを超える。ランプレーを一つ挟んで再び小段への長いパス。一気にゴール前に迫り、仕上げはエースRB伊丹のランでTD。大西のキックも決まって7―0。
こうなると先発メンバーに起用された1、2年生も落ち着く。逆に今季、1部に上がったばかりの相手は、前年の優勝チーム相手に自分たちの力を存分に発揮できないようだ。時にいいプレーが出てもそれが続かない。
あっという間に攻守交代。ファイターズ2度目の攻撃は自陣32ヤード付近から。まずはQB星野がミドルパスを通して相手陣に入る。相手がパスを警戒しているのを見極めると、今度はRB伊丹と澤井を続けさまに走らせてTD。キックも決まって14―0。
たたみかけるようなファイターズの攻撃を目の当たりにしたせいか、阪大の攻撃陣がぎくしゃくしてくる。ランは進まず、パスは通らない。わずか4プレーで攻守交代。
逆に、ファイターズの1年生QB星野弟は伸び伸びと持ち味を発揮する。例えば自陣47ヤードから始まったファイターズ3度目の攻撃。まずはエースRB伊丹を立て続けに走らせて14ヤードを稼ぎ、ダウンを更新。相手の注意をランプレーに引き寄せたうえで、すかさずRB澤井にパス。ダウンを更新した次のプレーで、今度はWR五十嵐に縦パスを通してTD。「これが今春、入部したばかりの1年生の動きかよ」との声が応援席から聞こえてきたが、まったく同感だった。
ファイターズはその後、第2Qに17点、第3Qに14 点、第4Qに21点を追加して合計73点。対する阪大は、随所にいいプレーが出るのだが、ファイターズの守備陣がその都度、適切に対応し、得点は許さない。後半からは次々に交代メンバーが起用されたが、大量得点を背景に彼らも伸び伸びとプレーし、最後まで得点を許さず、試合終了。
しかしながら、ファイターズが初戦で戦った桃山学院と同様、阪大も終始、知恵を絞った攻撃をかけてきた。この姿勢が続く限り、チームは成長する。彼らはやがて、京大、神戸大とともに関西リーグに並び立つ日が来るのではないか、という予感さえするチームだった。
(7)躍動する新戦力
投稿日時:2024/09/05(木) 17:26
3日はファイターズの今季、開幕日。迷走した台風が8月末には近畿地方を直撃するという予報が出たことから、1日に予定されていた今季の初戦、桃山学院大との試合日が急遽変更され、3日午後7時キックオフとなった。
会場となった万博公園の球技場周辺は闇に包まれ、グラウンドだけが明りに包まれている。平日の夜とあって、観客も少ない。
なんとも寂しい光景だったが、1試合目の立命と大阪大との試合が終わり、ファイターズの面々がグラウンドに出てくると空気が一変。一気に試合モードが高まる。そんな中、場内限定のラジオ放送で試合の実況と解説を担当され.る小野さんから頂いたチームのメンバー表を眺め、試合前の練習をしている選手と背番号を確認する。なんと、今春入学したばかりの1年生が3人も先発に名を連ねている。QBの星野弟(足立学園)、DLの田中志門(追手門学院)、DBの豊野桂也(啓明学院)である。それぞれ春のシーズンから出番があり、1年生とは思えないほどの存在感を見せていたが、秋の初戦からスタメンとは驚いた。
ファイターズのキックで試合が始まる。だが、ファイターズの守備の最前列が強くて素早い当たりで相手を押し込み、あっという間に攻守交替。この主役が1年生ながら春の試合から右のDLとしてスタメンを張っている田中志門というのだから、ファンとしては驚きと喜びで一杯だ。このチャンスを追手門高校の先輩で今は堂々のエースRB伊丹が生かしてTD。続く相手の攻撃も主将を務めるLB永井兄を中心にした守備陣が完封。相手に付け入る隙を与えない。
ファイターズの2度目の攻撃は自陣38ヤードから。まずはランアタックで陣地を稼ぎ、守備陣の注意をラン攻撃に向けた瞬間にQB星野からWR小段へミドルパス。それが決まってダウンを更新。仕上げは星野のQBキープ。左サイドライン沿いを39ヤード、一気に駆け上がってTD。14-0と引き離す。
こうなると、完全にファイターズペース。守備陣は相手にダウンを更新させず、攻撃陣は攻撃権をとるたびにTDで締めくくる。まずは遠投は兄貴以上という星野が小段へ50ヤードのパスを決めて3本目、RB澤井のランで陣地を稼ぎ、WR川崎へのミドルパスで4本目のTD。第1?だけで27-0と引き離す。
第2Qに入っても、ファイターズの攻勢は続く。K 大西のフィールドゴールに続いてRB井上孝が立て続けに2本TDを奪い、前半だけで44-3。
勝ち負けとしての興味はこのあたりで薄れたが、それでもお互いの選手が全力で戦う姿は美しい。相手チームに渾身のプレーが出れば、思わず拍手を送り、自軍の選手が目覚ましいプレーをすれば、それを上回る拍手を続ける。
とりわけ、今春入部したばかりの1年生やこれまで出番の少なかった2年生が活躍する姿を見られるのが楽しい。前者でいえば、少ない出番で立て続けに2本のパスを受け、都合58ヤードを稼いだWR立花(箕面自由出身)や後半だけの出番だったが、素早い動きで4回72ヤードを走ったRB平野(啓明学院)や高等部で主将を務めたLB永井弟の動きも頼もしかった。後者でいえば、春のJV戦で活躍した2年生RB松村や深村の今後も注目される。
最初に紹介した1年生のQB星野弟やDL田中志門を含め、期待の下級生が今後、どんな活躍をするのか。それを受けて立つ上級生が自らの可能性をどこまで開拓できるのか。今後のチーム内競争の激しさを予感させる初戦だった。
会場となった万博公園の球技場周辺は闇に包まれ、グラウンドだけが明りに包まれている。平日の夜とあって、観客も少ない。
なんとも寂しい光景だったが、1試合目の立命と大阪大との試合が終わり、ファイターズの面々がグラウンドに出てくると空気が一変。一気に試合モードが高まる。そんな中、場内限定のラジオ放送で試合の実況と解説を担当され.る小野さんから頂いたチームのメンバー表を眺め、試合前の練習をしている選手と背番号を確認する。なんと、今春入学したばかりの1年生が3人も先発に名を連ねている。QBの星野弟(足立学園)、DLの田中志門(追手門学院)、DBの豊野桂也(啓明学院)である。それぞれ春のシーズンから出番があり、1年生とは思えないほどの存在感を見せていたが、秋の初戦からスタメンとは驚いた。
ファイターズのキックで試合が始まる。だが、ファイターズの守備の最前列が強くて素早い当たりで相手を押し込み、あっという間に攻守交替。この主役が1年生ながら春の試合から右のDLとしてスタメンを張っている田中志門というのだから、ファンとしては驚きと喜びで一杯だ。このチャンスを追手門高校の先輩で今は堂々のエースRB伊丹が生かしてTD。続く相手の攻撃も主将を務めるLB永井兄を中心にした守備陣が完封。相手に付け入る隙を与えない。
ファイターズの2度目の攻撃は自陣38ヤードから。まずはランアタックで陣地を稼ぎ、守備陣の注意をラン攻撃に向けた瞬間にQB星野からWR小段へミドルパス。それが決まってダウンを更新。仕上げは星野のQBキープ。左サイドライン沿いを39ヤード、一気に駆け上がってTD。14-0と引き離す。
こうなると、完全にファイターズペース。守備陣は相手にダウンを更新させず、攻撃陣は攻撃権をとるたびにTDで締めくくる。まずは遠投は兄貴以上という星野が小段へ50ヤードのパスを決めて3本目、RB澤井のランで陣地を稼ぎ、WR川崎へのミドルパスで4本目のTD。第1?だけで27-0と引き離す。
第2Qに入っても、ファイターズの攻勢は続く。K 大西のフィールドゴールに続いてRB井上孝が立て続けに2本TDを奪い、前半だけで44-3。
勝ち負けとしての興味はこのあたりで薄れたが、それでもお互いの選手が全力で戦う姿は美しい。相手チームに渾身のプレーが出れば、思わず拍手を送り、自軍の選手が目覚ましいプレーをすれば、それを上回る拍手を続ける。
とりわけ、今春入部したばかりの1年生やこれまで出番の少なかった2年生が活躍する姿を見られるのが楽しい。前者でいえば、少ない出番で立て続けに2本のパスを受け、都合58ヤードを稼いだWR立花(箕面自由出身)や後半だけの出番だったが、素早い動きで4回72ヤードを走ったRB平野(啓明学院)や高等部で主将を務めたLB永井弟の動きも頼もしかった。後者でいえば、春のJV戦で活躍した2年生RB松村や深村の今後も注目される。
最初に紹介した1年生のQB星野弟やDL田中志門を含め、期待の下級生が今後、どんな活躍をするのか。それを受けて立つ上級生が自らの可能性をどこまで開拓できるのか。今後のチーム内競争の激しさを予感させる初戦だった。
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