石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」 2014/9
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(23)2年生に注目
投稿日時:2014/09/11(木) 22:09
10月号のタッチダウン誌に興味深い記事があった。「いますぐ世界大学選手権があるとして」という仮定の下に、関西大学カイザーズのヘッドコーチ、板井征人氏が「2014 カレッジ・オールジャパン」を選んでいたのである。
他チームのことは知らず、ファイターズに限って言えば、その人選は一部を除き、妥当であり、新鮮だった。ライバルチームのコーチの目に、ファイターズの選手がどのように写り、どのような点が評価されているのか、という意味でも興味深かった。
まずは、その記事を未読の方のために、攻守蹴24人の中に、ファイターズから選ばれた選手の名前を列挙してみる。
オフェンスからはC松井(2年)、WR木戸(4年)、QB斎藤(4年)、RB橋本(2年)。ディフェンスでは、NG松本(2年)、LB小野(4年)、CB田中(3年)。合計7人である。
もっとも、該当者なしとしているKについて、板井氏はLBにも使えるマルチな選手として「山岸あたりがふさわしい」といっているので、LBと兼務で彼の名前を加えると8人。そしてRBの部門で「普通に考えればKGの鷺野に異論はないであろう」という表現があり、チームを統括するリーダーシップまで考えれば、主将枠として鷺野が選ばれてもなんら不思議ではないので、合計9人と考えても不自然ではないだろう。
こうした板井氏の人選で、僕が注目したのは、ファイターズから2年生3人(山岸を入れると4人)がノミネートされた点である。上級生の4人は、実績は十分。これまでの活躍ぶりから見て、選ばれて当然、と僕も思っている。でも、2年生がここまで注目されているのは少々、意外だった。
ともあれ、2年生の評価をタッチダウン誌の記事から要点を引用すると、C松井は「賢い、強い、センスがある、テクニックもある。こんな1年生がいるのか…。少しため息が出た」。RB橋本については「KGの先輩RB望月をきっと超える逸材だ。強豪チームとの試合数を重ねればもっと伸びていく気配が満載である」。NG松本は「昨年はどちらかといえば狙い目だったが、今年はそうはいかないであろう。KGのシステムにも慣れ、ヒット力自体も怪力分を乗せられる技術を磨いてくるに違いない」。
そして22人の中には選ばれていないが、LB山岸については「DEもILBもさらにはTEもこなせる逸材。なによりあの過酷なU19の大会のMLBをほぼ一人でけがなしで乗り切ったタフネスは評価できる。サイズも将来性もあるので、NFLを本気で目指してほしい」とベタ褒めである。
成長途上の2年生をここまで褒められると、なんだか「褒め殺し」のような気もしてくるが、ともかくライバルチームのヘッドコーチの観察眼に、彼らの動きが焼き付けられていることは、よく分かった。
たしかに練習を見ていても、彼らは人目を惹きつける取り組みをしている。毎日「半歩でも強くなって練習を終える。一歩でも賢くなって家路につく」という気持ちが、その行動に現れている。山岸はU19の世界大会に出発する前に会ったとき「毎週7回筋トレをやっています」と元気に話していた。チームの練習を続けながら、おまけとして週に7回の筋トレを全力で続けるのは容易なことではあるまい。しかし彼は「海外勢との試合でけがして帰ってきました、なんてしゃれにもなりませんから」と、厳しく自分と向き合っていたのである。
ベンチプレス175キロ、スクワット280キロという怪力を誇る松本は、ある日の練習で、アシスタントコーチの上沢君にこてんぱんにされていた。多分、10回ぐらい連続で1対1で当たりあったが、そのたびに一方的に押し込まれ、何度も首をひねっていた。「自分の当たりの方が絶対に強い。でも、押し返される。どこに問題があるのか」。それを確かめるために、押し戻されては当たり、当たっては押し戻される練習を、延々と続けていた。
一区切りがついたとき、上沢君に聞くと「受ける方が本気で受けないと、相手は強くなりません。本気で受けてやるのが僕や友國の役割です」と答えてくれた。
同じような場面は、RBの練習でも見られた。RB同士が当たり合うのだが、そこに4年生TEの松島が加わっている。公称187センチ98キロ。OLと比べても遜色のない松島に向かって、走るのが専門のRB陣が次々にヒットするのだが、大抵は簡単に跳ね返される。それでも、もう一丁、もう一丁とチャレンジする。その先頭にいたのが橋本であり、3年生の三好だった。
思い返せば、板井氏の論評にも名前の出ていたRBの先輩望月君も、LBからコンバートされた当時、似たような練習を同期のLB川端君を相手に、延々と繰り返していた。そこで鍛え、甲子園ボウルやライスボウルで大活躍をしたのである。
練習は裏切らない。まだ2年生とはいえ、杉山も含めた「オールジャパン」のメンバーは、日々、上級生やアシスタントコーチを相手に、強豪との試合を想定した厳しい取り組みを続けて来たからこそ、ライバルチームのヘッドコーチの目に、その将来性を期待されるようになったのである。
タッチダウン誌と板井ヘッドコーチが選んだ「オールジャパン」には漏れているが、同じ2年生にはQBの伊豆、DBの小池など、傑出した才能を発揮しつつある選手が何人もいる。15日の近大戦では、そんな点に注目して応援するのも楽しいことだろう。
他チームのことは知らず、ファイターズに限って言えば、その人選は一部を除き、妥当であり、新鮮だった。ライバルチームのコーチの目に、ファイターズの選手がどのように写り、どのような点が評価されているのか、という意味でも興味深かった。
まずは、その記事を未読の方のために、攻守蹴24人の中に、ファイターズから選ばれた選手の名前を列挙してみる。
オフェンスからはC松井(2年)、WR木戸(4年)、QB斎藤(4年)、RB橋本(2年)。ディフェンスでは、NG松本(2年)、LB小野(4年)、CB田中(3年)。合計7人である。
もっとも、該当者なしとしているKについて、板井氏はLBにも使えるマルチな選手として「山岸あたりがふさわしい」といっているので、LBと兼務で彼の名前を加えると8人。そしてRBの部門で「普通に考えればKGの鷺野に異論はないであろう」という表現があり、チームを統括するリーダーシップまで考えれば、主将枠として鷺野が選ばれてもなんら不思議ではないので、合計9人と考えても不自然ではないだろう。
こうした板井氏の人選で、僕が注目したのは、ファイターズから2年生3人(山岸を入れると4人)がノミネートされた点である。上級生の4人は、実績は十分。これまでの活躍ぶりから見て、選ばれて当然、と僕も思っている。でも、2年生がここまで注目されているのは少々、意外だった。
ともあれ、2年生の評価をタッチダウン誌の記事から要点を引用すると、C松井は「賢い、強い、センスがある、テクニックもある。こんな1年生がいるのか…。少しため息が出た」。RB橋本については「KGの先輩RB望月をきっと超える逸材だ。強豪チームとの試合数を重ねればもっと伸びていく気配が満載である」。NG松本は「昨年はどちらかといえば狙い目だったが、今年はそうはいかないであろう。KGのシステムにも慣れ、ヒット力自体も怪力分を乗せられる技術を磨いてくるに違いない」。
そして22人の中には選ばれていないが、LB山岸については「DEもILBもさらにはTEもこなせる逸材。なによりあの過酷なU19の大会のMLBをほぼ一人でけがなしで乗り切ったタフネスは評価できる。サイズも将来性もあるので、NFLを本気で目指してほしい」とベタ褒めである。
成長途上の2年生をここまで褒められると、なんだか「褒め殺し」のような気もしてくるが、ともかくライバルチームのヘッドコーチの観察眼に、彼らの動きが焼き付けられていることは、よく分かった。
たしかに練習を見ていても、彼らは人目を惹きつける取り組みをしている。毎日「半歩でも強くなって練習を終える。一歩でも賢くなって家路につく」という気持ちが、その行動に現れている。山岸はU19の世界大会に出発する前に会ったとき「毎週7回筋トレをやっています」と元気に話していた。チームの練習を続けながら、おまけとして週に7回の筋トレを全力で続けるのは容易なことではあるまい。しかし彼は「海外勢との試合でけがして帰ってきました、なんてしゃれにもなりませんから」と、厳しく自分と向き合っていたのである。
ベンチプレス175キロ、スクワット280キロという怪力を誇る松本は、ある日の練習で、アシスタントコーチの上沢君にこてんぱんにされていた。多分、10回ぐらい連続で1対1で当たりあったが、そのたびに一方的に押し込まれ、何度も首をひねっていた。「自分の当たりの方が絶対に強い。でも、押し返される。どこに問題があるのか」。それを確かめるために、押し戻されては当たり、当たっては押し戻される練習を、延々と続けていた。
一区切りがついたとき、上沢君に聞くと「受ける方が本気で受けないと、相手は強くなりません。本気で受けてやるのが僕や友國の役割です」と答えてくれた。
同じような場面は、RBの練習でも見られた。RB同士が当たり合うのだが、そこに4年生TEの松島が加わっている。公称187センチ98キロ。OLと比べても遜色のない松島に向かって、走るのが専門のRB陣が次々にヒットするのだが、大抵は簡単に跳ね返される。それでも、もう一丁、もう一丁とチャレンジする。その先頭にいたのが橋本であり、3年生の三好だった。
思い返せば、板井氏の論評にも名前の出ていたRBの先輩望月君も、LBからコンバートされた当時、似たような練習を同期のLB川端君を相手に、延々と繰り返していた。そこで鍛え、甲子園ボウルやライスボウルで大活躍をしたのである。
練習は裏切らない。まだ2年生とはいえ、杉山も含めた「オールジャパン」のメンバーは、日々、上級生やアシスタントコーチを相手に、強豪との試合を想定した厳しい取り組みを続けて来たからこそ、ライバルチームのヘッドコーチの目に、その将来性を期待されるようになったのである。
タッチダウン誌と板井ヘッドコーチが選んだ「オールジャパン」には漏れているが、同じ2年生にはQBの伊豆、DBの小池など、傑出した才能を発揮しつつある選手が何人もいる。15日の近大戦では、そんな点に注目して応援するのも楽しいことだろう。
(22)晴れ舞台は第3フィールド
投稿日時:2014/09/05(金) 22:12
永井荷風が小説を書く者の心得として、こんな随筆を書いている。
……読書、思索、観察の三事は小説かくものの寸毫(すんごう)も怠りてはならぬものなり。読書と思索とは剣術使の毎日道場にて竹刀を持つがごとく、観察は武者修行に出でて他流試合をなすが如し。
僕は小説家ではない。だが、新聞記者の端くれとして「世の中実地の観察」の大切さはよく理解出来る。だから、上ヶ原のグラウンドに顔を出すたびに、部員たちの練習ぶりや練習前の行動などについて、ひとかたならぬ関心をもって眺めている。フットボールの経験者ではないが、ファイターズのホームページでコラムを書くようになってからは、新聞記者の目で、部員の振るまいをより丁寧にチェックするようにもなった。その結果、最近は「試合会場で見る部員の姿は仮りの姿。本当の姿は上ヶ原の第3フィールドにある」と思うようになった。
試合会場でライバルを相手に活躍している姿こそ、選手にとっての晴れ舞台。ファンの誰もがそう思っておられるに違いない。だが、僕は最近、第3フィールドこそ部員にとっての晴れ舞台であり、そこでもがき苦しんでいる姿が千両役者だと思えるようになっているのである。
どういうことか。今季の初戦、同志社大との試合で、誰もが「おっ、やるじゃないか」と思うような活躍をした選手たちの名前を挙げて説明してみよう。
まずは、正真正銘の新戦力として活躍した1年生から。初戦のメンバー表を見た人は、先発メンバーにOLの井若君(箕面自由)とWR前田泰一君(関大一)の二人が名前を連ねているのに驚かれたに違いない。試合が始まって間もなく、同じ1年生のRB高松君(箕面自由)、DB小椋君(同)、DL藤木、三木、柴田君の3人と、WR中西君(いずれも高等部)らが交代メンバーとして次々に登場し、スタメンで出た二人とともに縦横無尽に活躍した姿にもびっくりされただろう。
この日が初めての公式戦なのに、前田君や中西君は当然のようにロングパスをキャッチし、高松君は30ヤードの独走TDを決めた。小椋君は、もう何年も試合に出続けているような安定した守備を見せたし、高等部のDL3人組も、それぞれが競い合うように鋭いフットワークでタックルを連発した。先発で左のタックルを任された井若君は、173センチという小柄な体からは想像も出来ない粘り腰で、QBの背後を守り切った。
けれども、上ヶ原での練習ぶりを何度も観察していた僕は、彼らが活躍するのは「当然、当たり前のこと」だった。
チーム練習の前に、前田君はアシスタントコーチの梅本君を相手に、何度も何度も同じ練習を続け、守備選手の交わし方のタイミングを身に付けようとしていた。井若君は、同じくアシスタントコーチ池永君の胸を借りて「強くて素早いDL」を相手にしたときの身のこなし、足の運び、腰の落とし方などを徹底的に追求、その動きを体に覚えさせようと必死だった。
DLの高等部3人組も負けてはいない。4年生の岡部君や3年生の小川君らをお手本に、スタートのタイミングの取り方やタックルの練習を、これでもか、というほど続けていた。
RBの高松君や山本君(立教新座)も、身のこなしが素早くて当たりが強い4年生の鷺野君や飯田君からマンツーマンの指導を受け、首の守り方からタックルの受け方、交わし方まで、徹底的な反復練習を続けていた。
同じような取り組みは、2年生も同様だった。この日の試合でともにTDパスをキャッチしたTEの藏野君と杉山君も、数日前の練習で、大村コーチが見守る中、アシスタントコーチの池田君や長森君を相手に、スタートのタイミングや足の運び、タックルの交わし方などを、繰り返し繰り返し練習していた。
そういう実戦を想定した練習、取り組みを徹底してきたから、彼らはみな本番でも軽快な動きが出来た。「準備してきたことを遂行するだけ。結果は付いてくる」という、極めてシンプルな考え方で試合に臨めたから、初戦というプレッシャーに動じることなく、堂々と戦えたのである。
練習のための練習ではない。マニュアル通りの練習でもない。試合を想定した練習、それも初戦だけでなく、これから続く強烈な力を秘めたライバルたちを想定して、全日本級の力を持つ先輩やアシスタントコーチを相手に、何度も転がされ、徹底的に汗をかいてきた結果が、あの華々しいデビューとなったのである。
相手は1、2年生とはいえ、本気になってその練習台を務めた上級生が活躍したことはいうまでもない。
定例のチーム練習の前に、どのパートでもこうした真剣勝負が毎日行われているのが、上ヶ原の第3フィールドである。そこは練習グラウンドではなく、晴れ舞台であるという意味がここにある。
……読書、思索、観察の三事は小説かくものの寸毫(すんごう)も怠りてはならぬものなり。読書と思索とは剣術使の毎日道場にて竹刀を持つがごとく、観察は武者修行に出でて他流試合をなすが如し。
僕は小説家ではない。だが、新聞記者の端くれとして「世の中実地の観察」の大切さはよく理解出来る。だから、上ヶ原のグラウンドに顔を出すたびに、部員たちの練習ぶりや練習前の行動などについて、ひとかたならぬ関心をもって眺めている。フットボールの経験者ではないが、ファイターズのホームページでコラムを書くようになってからは、新聞記者の目で、部員の振るまいをより丁寧にチェックするようにもなった。その結果、最近は「試合会場で見る部員の姿は仮りの姿。本当の姿は上ヶ原の第3フィールドにある」と思うようになった。
試合会場でライバルを相手に活躍している姿こそ、選手にとっての晴れ舞台。ファンの誰もがそう思っておられるに違いない。だが、僕は最近、第3フィールドこそ部員にとっての晴れ舞台であり、そこでもがき苦しんでいる姿が千両役者だと思えるようになっているのである。
どういうことか。今季の初戦、同志社大との試合で、誰もが「おっ、やるじゃないか」と思うような活躍をした選手たちの名前を挙げて説明してみよう。
まずは、正真正銘の新戦力として活躍した1年生から。初戦のメンバー表を見た人は、先発メンバーにOLの井若君(箕面自由)とWR前田泰一君(関大一)の二人が名前を連ねているのに驚かれたに違いない。試合が始まって間もなく、同じ1年生のRB高松君(箕面自由)、DB小椋君(同)、DL藤木、三木、柴田君の3人と、WR中西君(いずれも高等部)らが交代メンバーとして次々に登場し、スタメンで出た二人とともに縦横無尽に活躍した姿にもびっくりされただろう。
この日が初めての公式戦なのに、前田君や中西君は当然のようにロングパスをキャッチし、高松君は30ヤードの独走TDを決めた。小椋君は、もう何年も試合に出続けているような安定した守備を見せたし、高等部のDL3人組も、それぞれが競い合うように鋭いフットワークでタックルを連発した。先発で左のタックルを任された井若君は、173センチという小柄な体からは想像も出来ない粘り腰で、QBの背後を守り切った。
けれども、上ヶ原での練習ぶりを何度も観察していた僕は、彼らが活躍するのは「当然、当たり前のこと」だった。
チーム練習の前に、前田君はアシスタントコーチの梅本君を相手に、何度も何度も同じ練習を続け、守備選手の交わし方のタイミングを身に付けようとしていた。井若君は、同じくアシスタントコーチ池永君の胸を借りて「強くて素早いDL」を相手にしたときの身のこなし、足の運び、腰の落とし方などを徹底的に追求、その動きを体に覚えさせようと必死だった。
DLの高等部3人組も負けてはいない。4年生の岡部君や3年生の小川君らをお手本に、スタートのタイミングの取り方やタックルの練習を、これでもか、というほど続けていた。
RBの高松君や山本君(立教新座)も、身のこなしが素早くて当たりが強い4年生の鷺野君や飯田君からマンツーマンの指導を受け、首の守り方からタックルの受け方、交わし方まで、徹底的な反復練習を続けていた。
同じような取り組みは、2年生も同様だった。この日の試合でともにTDパスをキャッチしたTEの藏野君と杉山君も、数日前の練習で、大村コーチが見守る中、アシスタントコーチの池田君や長森君を相手に、スタートのタイミングや足の運び、タックルの交わし方などを、繰り返し繰り返し練習していた。
そういう実戦を想定した練習、取り組みを徹底してきたから、彼らはみな本番でも軽快な動きが出来た。「準備してきたことを遂行するだけ。結果は付いてくる」という、極めてシンプルな考え方で試合に臨めたから、初戦というプレッシャーに動じることなく、堂々と戦えたのである。
練習のための練習ではない。マニュアル通りの練習でもない。試合を想定した練習、それも初戦だけでなく、これから続く強烈な力を秘めたライバルたちを想定して、全日本級の力を持つ先輩やアシスタントコーチを相手に、何度も転がされ、徹底的に汗をかいてきた結果が、あの華々しいデビューとなったのである。
相手は1、2年生とはいえ、本気になってその練習台を務めた上級生が活躍したことはいうまでもない。
定例のチーム練習の前に、どのパートでもこうした真剣勝負が毎日行われているのが、上ヶ原の第3フィールドである。そこは練習グラウンドではなく、晴れ舞台であるという意味がここにある。
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