石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(22)フットボールは格闘技
このところ、とてつもなく忙しい日が続いている。ずっと前に約束していた文庫本の解説の締め切り日が迫っているし、今日の午後には高校での講演会もある。その準備も仕上げなければならない。大学では秋学期が始まり、毎週末には授業がある。金曜日に2コマを受け持っているだけだが、毎回、受講生に小論文を書かせているので、週末はその添削、講評作業に追われる。
もちろん、本業の新聞社の仕事は手を抜けない。週に3回コラムを書き、社説も担当する。対外的な折衝もする。社内の記者を集めた勉強会も主宰しているから、その準備にも追われる。
そういう中で、ついついこのコラムの更新が間遠になっている。秋の関西リーグが4節を終え、シーズンが佳境に入ってきたのに、何という情けないことか。誠に申し訳ない。
さて、第4節の神戸大との戦いである。結論から言うと、何とももどかしい試合だった。いや、もどかしいというだけでない。こんな仕上がりで、これから続く関大、京大、立命館との戦いに挑めるのか、と心配になるほどだった。
ファイターズのレシーブで試合が始まる。しかし、神戸大のキックを1年生レシーバーがファンブル。なんとかそのボールを確保し、神戸大の反則もあって、失敗は帳消しとなったが、今日も前途多難を思わせる。
自陣30ヤードから始まったファイターズ最初の攻撃はRB野々垣、橋本のランで簡単にダウンを更新。だが、ここでセンターのスナップミスが出てマイナス15ヤード。せっかくの攻撃リズムが崩れてしまう。QB伊豆からWR松井への23ヤードパス、橋本の中央突破と続いて、再びダウンを更新したが、次が続かない。QBとレシーバーのタイミングが合わずに、結局はパントで攻撃終了。
この最初の攻撃シリーズだけを見ても、キックキャッチのミス、スナップミス、レシーブミスと続いて、自らリズムを壊してしまっている。要所要所で切れ味のよいランが決まり、長いパスが通っているのに、フィールドゴール圏内にも進めない。もどかしい攻撃である。
逆に守備陣は安定している。DE柴田のパスカットなどで、相手攻撃を3&アウトで抑える。WR亀山の15ヤードのパントリターンもあって、相手陣46ヤードから再びファイターズの攻撃。ここは伊豆のスクランブル、野々垣の28ヤードランとたたみかけ、ゴール前16ヤード。そこで伊豆からWR池永へのパスが決まってTD。K西岡のキックも決まって7-0。
次の攻撃シリーズも、野々垣が8ヤード、RB加藤の21ヤードをランで稼ぎ、陣地を進めるが、肝心なところパスが通らず、1Qはそのまま終了。
2Qに入るとすぐ、自陣45ヤードからファイターズの攻撃。伊豆から亀山へのパス、伊豆の20ヤード独走で陣地を進め、簡単にゴール前26ヤード。そこでファイターズに反則があり、マイナス5ヤード。今度は伊豆から左サイドライン際の松井に短いパス。それを受けた松井が相手ディフェンスを振り切ってゴールに走り込む。タッチダウン、と思った瞬間、ファイターズにホールデングの反則。TDのプレーとは関係のないサイドで起きた反則で、せっかくのTDが認められない。ちぐはぐな攻撃が続く。
ようやく次のシリーズ。野々垣へのショベルパスや橋本、加藤のランでリズムを作り、仕上げは野々垣が左サイドを駆け上がってTD。2Q終了間際には西岡が46ヤードのFGを決めて17-0で前半終了。第3Qに入ると、ファイターズは、亀山、前田、阿部のWR陣に立て続けにパスを通し、加藤のランで仕上げて24-0。次の攻撃シリーズからは、ベンチを温めることの多かった4年生を次々に投入。守備陣にも、2枚目、3枚目の選手を起用していく。
そのせいか、3Q終了までは相手攻撃を完封していた守備陣にほころびが出始め、とうとうTDパスを通されてしまう。終わって見れば、ファイターズが31-6で勝利したが、試合内容は終始ちぐはぐ。不用意なミスは出るし、意味のない反則も続く。自らリズムを崩すプレーの連続で、せっかくの光ったプレーが生きてこない。
試合後、鳥内監督もそれを認め「自分でリズムを壊している。こんな内容ではこれからの3試合はしんどい」と話されていた。
僕も試合後、何人かの主力選手と話す機会があったが、聞こえてくるのはチームの現状の苦しさを認める言葉ばかりだった。
さて、こうした現状をどう立て直していくのか。
思うに、4年生が先頭に立って汗をかき、後ろ姿で下級生にその本気度を見せていくしかないのではないか。練習前、練習後のハドルで、幹部たちがそれぞれの言葉を尽くしてチームを鼓舞しているが、それ加えて、練習でも試合でも「Fight Hard」を体現するしかないのではないか。もちろん、3年生、2年生、1年生を含め、試合に出ている選手はすべて、悔しさを露わにし、闘争心をむき出しにして相手チームにかかっていかなければならない。フットボールは格闘技という原点を共有し、激しく戦う集団を再生するしか道は開けないと思うのだが、いかがだろう。
もちろん、本業の新聞社の仕事は手を抜けない。週に3回コラムを書き、社説も担当する。対外的な折衝もする。社内の記者を集めた勉強会も主宰しているから、その準備にも追われる。
そういう中で、ついついこのコラムの更新が間遠になっている。秋の関西リーグが4節を終え、シーズンが佳境に入ってきたのに、何という情けないことか。誠に申し訳ない。
さて、第4節の神戸大との戦いである。結論から言うと、何とももどかしい試合だった。いや、もどかしいというだけでない。こんな仕上がりで、これから続く関大、京大、立命館との戦いに挑めるのか、と心配になるほどだった。
ファイターズのレシーブで試合が始まる。しかし、神戸大のキックを1年生レシーバーがファンブル。なんとかそのボールを確保し、神戸大の反則もあって、失敗は帳消しとなったが、今日も前途多難を思わせる。
自陣30ヤードから始まったファイターズ最初の攻撃はRB野々垣、橋本のランで簡単にダウンを更新。だが、ここでセンターのスナップミスが出てマイナス15ヤード。せっかくの攻撃リズムが崩れてしまう。QB伊豆からWR松井への23ヤードパス、橋本の中央突破と続いて、再びダウンを更新したが、次が続かない。QBとレシーバーのタイミングが合わずに、結局はパントで攻撃終了。
この最初の攻撃シリーズだけを見ても、キックキャッチのミス、スナップミス、レシーブミスと続いて、自らリズムを壊してしまっている。要所要所で切れ味のよいランが決まり、長いパスが通っているのに、フィールドゴール圏内にも進めない。もどかしい攻撃である。
逆に守備陣は安定している。DE柴田のパスカットなどで、相手攻撃を3&アウトで抑える。WR亀山の15ヤードのパントリターンもあって、相手陣46ヤードから再びファイターズの攻撃。ここは伊豆のスクランブル、野々垣の28ヤードランとたたみかけ、ゴール前16ヤード。そこで伊豆からWR池永へのパスが決まってTD。K西岡のキックも決まって7-0。
次の攻撃シリーズも、野々垣が8ヤード、RB加藤の21ヤードをランで稼ぎ、陣地を進めるが、肝心なところパスが通らず、1Qはそのまま終了。
2Qに入るとすぐ、自陣45ヤードからファイターズの攻撃。伊豆から亀山へのパス、伊豆の20ヤード独走で陣地を進め、簡単にゴール前26ヤード。そこでファイターズに反則があり、マイナス5ヤード。今度は伊豆から左サイドライン際の松井に短いパス。それを受けた松井が相手ディフェンスを振り切ってゴールに走り込む。タッチダウン、と思った瞬間、ファイターズにホールデングの反則。TDのプレーとは関係のないサイドで起きた反則で、せっかくのTDが認められない。ちぐはぐな攻撃が続く。
ようやく次のシリーズ。野々垣へのショベルパスや橋本、加藤のランでリズムを作り、仕上げは野々垣が左サイドを駆け上がってTD。2Q終了間際には西岡が46ヤードのFGを決めて17-0で前半終了。第3Qに入ると、ファイターズは、亀山、前田、阿部のWR陣に立て続けにパスを通し、加藤のランで仕上げて24-0。次の攻撃シリーズからは、ベンチを温めることの多かった4年生を次々に投入。守備陣にも、2枚目、3枚目の選手を起用していく。
そのせいか、3Q終了までは相手攻撃を完封していた守備陣にほころびが出始め、とうとうTDパスを通されてしまう。終わって見れば、ファイターズが31-6で勝利したが、試合内容は終始ちぐはぐ。不用意なミスは出るし、意味のない反則も続く。自らリズムを崩すプレーの連続で、せっかくの光ったプレーが生きてこない。
試合後、鳥内監督もそれを認め「自分でリズムを壊している。こんな内容ではこれからの3試合はしんどい」と話されていた。
僕も試合後、何人かの主力選手と話す機会があったが、聞こえてくるのはチームの現状の苦しさを認める言葉ばかりだった。
さて、こうした現状をどう立て直していくのか。
思うに、4年生が先頭に立って汗をかき、後ろ姿で下級生にその本気度を見せていくしかないのではないか。練習前、練習後のハドルで、幹部たちがそれぞれの言葉を尽くしてチームを鼓舞しているが、それ加えて、練習でも試合でも「Fight Hard」を体現するしかないのではないか。もちろん、3年生、2年生、1年生を含め、試合に出ている選手はすべて、悔しさを露わにし、闘争心をむき出しにして相手チームにかかっていかなければならない。フットボールは格闘技という原点を共有し、激しく戦う集団を再生するしか道は開けないと思うのだが、いかがだろう。
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