石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(3)知らないうちに有名人
今日、学生会館にある東京庵に昼飯を食べに行った。だし巻き定食+冷や奴-小飯。代金650円を支払おうとしたら、レジを守るお姉さんから「いつもコラム読ませていただいてます。ファイターズの……」と声を掛けられた。
「イヤイヤどうも……ありがとうございます」。どぎまぎしながらお礼を述べたが、最近、大学周辺でこんなことがよくある。試合会場で学生部の職員さんから「コラムの大ファンです」と言われ、ツーショットに収まったことがあるし、保健館で担当の看護師さんから「いつも愛読しています」と言われて驚いたこともある。
大学の正門前にあるスパゲッティー屋のオーナーシェフやチョコレート専門店の経営者、それに仁川駅前の西村接骨院の院長らとも、コラムが縁で挨拶を交わすようになった。そしてついに、今季の授業には「あのコラムを書かれている先生に教えてもらいたいと思って」という学生まで現れた。
えらいこっちゃ。かねがね「文章を書くことは、自分の恥をさらすこと」と、自分に言い聞かせているが、それにしてもなあ。コラムを読んでいただけるのはうれしいけど、そしてちょっぴり誇らしいことではありますが、ここまで世間が狭くなると……。
もう本屋さんで立ち読みをすることも出来ないし、もちろん若い女の子と歩くなんて、とてもとても。有名人の不自由さがよく分かる、というほどのことはないか。
まあ、これまで通りぼちぼちやりますわ。せっせとグラウンドに足を運び、練習を見て選手の動向をチェックし、試合の観戦記を書いていきます。
さて、あす19日は待望の今季初戦。慶応との戦いである。見所はひとつ。どんな選手が今季の新戦力として活躍してくれるか、である。
正直に言って、これは先週の紅白戦を見ていた感想でもあるが、春先の練習を見てきた限りでは、昨年の立命戦から甲子園ボウル、ライスボウルへと続く過酷な試合を戦った選手と、それ以外のメンバーには、明らかに違いがある。これは4年間と限られている大学の課外活動の宿命でもあるが、いつの年でも、卒業生の抜けた穴は大きい。ことしは攻守ともラインの多くが卒業しただけに、余計にそのことを感じる。
加えて昨年は、甲子園ボウルやライスボウルで多くの主力選手が傷ついた。その面々の多くがまだ調整途上にあるから、シーズン当初は満足のいくメンバーが組めない可能性がある。それは半面、新しい戦力が続々と飛び出してくる可能性があると言うことだが、そうは楽観できない。昨年までスカウトチームの仕事に徹して、ほとんど出場機会のなかった選手が、学年がひとつ上がったからといって、昨年の先発選手と同様の活躍が出来るほどこの世界は甘くない。
残念ながら、先日の紅白戦をみても活躍が目立ったのは、昨年も試合に出ていたメンバーばかり。なかでただ一人、2年生QBの伊豆が物怖じしない試合運びで可能性を感じさせてくれたが、肝心のパスを受ける方が今一つ。まだまだ練習が必要なことを見せつけただけに終わっている。
だからこそ、新しい選手の台頭が待たれるのである。初戦の慶応大戦では、その一点に絞って観戦したい。幸いなことに楽しみな選手はいっぱいいる。攻撃のラインは全員が要注目だし、RBにも生きのよい走りをする2年生が二人いる。大柄な方が橋本、小柄な方が松本だ。体形では二人の中間に位置する伊豆も、経験豊富なレシーバーが出場してくれば、その真価を発揮してくれるだろう。
ディフェンスではラインの松本、浜の巨漢コンビが要注目。スピードのある大野、パング、岩田の2年生トリオの動きからも目が離せない。2列目にはまとめ役の3年生作道のほか、とてつもない選手になりそうな予感のする山岸、西田という2年生コンビがいる。そしてDBには、梅本弟や小池、伊藤ら動きの素早い面々が控えている。
これらの新しい顔が昨年までの1本目のメンバーとそん色のない動きをしてくれるかどうか。
僕の目には、まだ昨年の甲子園や東京ドームの試合の残像が残っている。その残像を吹っ飛ばしてくれる新メンバーの活躍を期待したい。試合は午後2時キックオフ。さあ、何をおいても王子スタジアムに集合しようぜ。
「イヤイヤどうも……ありがとうございます」。どぎまぎしながらお礼を述べたが、最近、大学周辺でこんなことがよくある。試合会場で学生部の職員さんから「コラムの大ファンです」と言われ、ツーショットに収まったことがあるし、保健館で担当の看護師さんから「いつも愛読しています」と言われて驚いたこともある。
大学の正門前にあるスパゲッティー屋のオーナーシェフやチョコレート専門店の経営者、それに仁川駅前の西村接骨院の院長らとも、コラムが縁で挨拶を交わすようになった。そしてついに、今季の授業には「あのコラムを書かれている先生に教えてもらいたいと思って」という学生まで現れた。
えらいこっちゃ。かねがね「文章を書くことは、自分の恥をさらすこと」と、自分に言い聞かせているが、それにしてもなあ。コラムを読んでいただけるのはうれしいけど、そしてちょっぴり誇らしいことではありますが、ここまで世間が狭くなると……。
もう本屋さんで立ち読みをすることも出来ないし、もちろん若い女の子と歩くなんて、とてもとても。有名人の不自由さがよく分かる、というほどのことはないか。
まあ、これまで通りぼちぼちやりますわ。せっせとグラウンドに足を運び、練習を見て選手の動向をチェックし、試合の観戦記を書いていきます。
さて、あす19日は待望の今季初戦。慶応との戦いである。見所はひとつ。どんな選手が今季の新戦力として活躍してくれるか、である。
正直に言って、これは先週の紅白戦を見ていた感想でもあるが、春先の練習を見てきた限りでは、昨年の立命戦から甲子園ボウル、ライスボウルへと続く過酷な試合を戦った選手と、それ以外のメンバーには、明らかに違いがある。これは4年間と限られている大学の課外活動の宿命でもあるが、いつの年でも、卒業生の抜けた穴は大きい。ことしは攻守ともラインの多くが卒業しただけに、余計にそのことを感じる。
加えて昨年は、甲子園ボウルやライスボウルで多くの主力選手が傷ついた。その面々の多くがまだ調整途上にあるから、シーズン当初は満足のいくメンバーが組めない可能性がある。それは半面、新しい戦力が続々と飛び出してくる可能性があると言うことだが、そうは楽観できない。昨年までスカウトチームの仕事に徹して、ほとんど出場機会のなかった選手が、学年がひとつ上がったからといって、昨年の先発選手と同様の活躍が出来るほどこの世界は甘くない。
残念ながら、先日の紅白戦をみても活躍が目立ったのは、昨年も試合に出ていたメンバーばかり。なかでただ一人、2年生QBの伊豆が物怖じしない試合運びで可能性を感じさせてくれたが、肝心のパスを受ける方が今一つ。まだまだ練習が必要なことを見せつけただけに終わっている。
だからこそ、新しい選手の台頭が待たれるのである。初戦の慶応大戦では、その一点に絞って観戦したい。幸いなことに楽しみな選手はいっぱいいる。攻撃のラインは全員が要注目だし、RBにも生きのよい走りをする2年生が二人いる。大柄な方が橋本、小柄な方が松本だ。体形では二人の中間に位置する伊豆も、経験豊富なレシーバーが出場してくれば、その真価を発揮してくれるだろう。
ディフェンスではラインの松本、浜の巨漢コンビが要注目。スピードのある大野、パング、岩田の2年生トリオの動きからも目が離せない。2列目にはまとめ役の3年生作道のほか、とてつもない選手になりそうな予感のする山岸、西田という2年生コンビがいる。そしてDBには、梅本弟や小池、伊藤ら動きの素早い面々が控えている。
これらの新しい顔が昨年までの1本目のメンバーとそん色のない動きをしてくれるかどうか。
僕の目には、まだ昨年の甲子園や東京ドームの試合の残像が残っている。その残像を吹っ飛ばしてくれる新メンバーの活躍を期待したい。試合は午後2時キックオフ。さあ、何をおいても王子スタジアムに集合しようぜ。
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