石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(27)幸せなチーム
先日、サンテレビが放映した神戸大学との試合を録画で見ていて驚いた。協賛者の中に「米田豊」という名前があったからである。そう、3代前のOB会長だったあの米田さんである。
「えっ、何で!」と驚いて画面を戻してみると、協賛企業として、亀井堂本舗とかアシスタントコーチをして下さっている島野さんの会社とか、ファイターズに関係する人たちの会社名がいくつも出てくる。おまけにわが関西学院大学までがスポンサーとして、また協賛団体としてしっかり名前を連ねている。
そうか! 当初、放映予定のなかった神戸大学との試合がUHFの地域限定放送とはいえ、しっかり放映されたのは、こうした「ファイターズ愛」にあふれる企業や大学、そして個人の協力があったからだと、ようやく合点がいった。そして、そこまで応援してもらえるファイターズは、なんて幸せなチームだろうと思った。
幸せなチームといえば、関西学院の体育会の中で一番、OB会費の納入率が高いのはファイターズである。なんと8割ものOBが毎年、2万円の会費を納入して下さるという。ほかのクラブから見れば、この納入率は「奇跡」としか思えない数字らしい。
もちろん、その陰には学年ごとに活動されている幹事の苦労がある。鳥内監督も若手OBの結婚式に招かれるたびに、OB会費の納入状況を示す一覧表を持参し、同学年の仲間に未納者に納入を促すように声を掛けておられる。
一般からの寄付もある。先日の中継にゲストとして出席し、サンテレビのアナウンサーだった西沢さんと「カレッジフットボール」を中継していた頃の思い出話をされていた武田建先生は「コーチのフットボール留学の一助になれば」と、著書の印税や講演会の講師料をせっせとファイターズのために寄付されている。小野ディレクターも先日来、2度にわたって行われた朝日カルチャーセンターでの講演会(2度とも大好評だった)の講師料をチームに還元されている。
そういう方々を見習って、僕もほんの少しずつではあるが、この数年、チームに寄付を続けている。大きな試合の前にスポーツセンターで行う合宿には紀州・田辺特産のうまいミカンを差し入れるし、時には最高級南高梅の梅干しも持参する。
別に自慢したいわけではない。これもまた、校訓にいう「マスタリー・フォー・サービス」の一つだと思うからだ。
関西学院の4代目院長を務められたベーツ先生は1915年、高等学部の学生が作った「商光」という冊子の創刊号に「私たちの校訓『マスタリー・フォー・サービス』」という講演録を寄せておられる。関西学院が発行した「輝く自由」という冊子から、そのポイントを列挙してみる。
「私たちは強くあること、さまざまなことを自由に支配できる人(マスター)になることを目指します」「マスターとは知識を身につけ、チャンスを自らつかみ取り、自分自身を抑制できる、自分の欲や飲食や所有への思いを抑えることができる人です」
「私たちがマスターになろうとする目的は、自分自身を富ますことではなく、社会に奉仕することです」「人の偉大さは、どれだけ社会に奉仕したかによって決まるのです。それゆえ、本校の理想は強くて役に立つ人になることであり、弱くて使いものにならない人になることではありません。それぞれがマスターと呼ばれる人になることです」
ここまで言われると、ベーツ先生が礎を築かれた大学を卒業した劣等生の一人として、多少は何かをしたい、何かをしなければという気になるのではないか。
奉仕というキーワードでいえば、よくいわれるのが「お金のある者はお金を、知恵のある者は知恵を提供しよう。どちらもない者は汗を流そう」という言葉である。これをそれぞれの世界でマスターを自認する人が「惜しみなく」提供することによって、事態が動き出す。OB会費の納入からテレビ放映への協賛、チームへの指定寄付。現役学生の就職活動に力を貸したり、相談に乗ったりすることも立派な奉仕活動である。
もちろん、仲間を誘い合って試合会場に足を運び、チームに声援を送ることも、チケットや応援グッズをチームから購入して、クラブの運営をバックアップするのも立派な協力の仕方である。
そういう奉仕・協力活動まで含めて、どのチームよりも多くの方々に応援してもらっているのがファイターズである。幸せなチームと呼ぶ由縁である。
さあ、今度の日曜日は、京大との戦いである。ともに無傷のままで迎える戦いの必勝を期して、長居まで足を運ぼうではないか。応援席を盛り上げるのも、ファンにとっては大事な役割である。
「えっ、何で!」と驚いて画面を戻してみると、協賛企業として、亀井堂本舗とかアシスタントコーチをして下さっている島野さんの会社とか、ファイターズに関係する人たちの会社名がいくつも出てくる。おまけにわが関西学院大学までがスポンサーとして、また協賛団体としてしっかり名前を連ねている。
そうか! 当初、放映予定のなかった神戸大学との試合がUHFの地域限定放送とはいえ、しっかり放映されたのは、こうした「ファイターズ愛」にあふれる企業や大学、そして個人の協力があったからだと、ようやく合点がいった。そして、そこまで応援してもらえるファイターズは、なんて幸せなチームだろうと思った。
幸せなチームといえば、関西学院の体育会の中で一番、OB会費の納入率が高いのはファイターズである。なんと8割ものOBが毎年、2万円の会費を納入して下さるという。ほかのクラブから見れば、この納入率は「奇跡」としか思えない数字らしい。
もちろん、その陰には学年ごとに活動されている幹事の苦労がある。鳥内監督も若手OBの結婚式に招かれるたびに、OB会費の納入状況を示す一覧表を持参し、同学年の仲間に未納者に納入を促すように声を掛けておられる。
一般からの寄付もある。先日の中継にゲストとして出席し、サンテレビのアナウンサーだった西沢さんと「カレッジフットボール」を中継していた頃の思い出話をされていた武田建先生は「コーチのフットボール留学の一助になれば」と、著書の印税や講演会の講師料をせっせとファイターズのために寄付されている。小野ディレクターも先日来、2度にわたって行われた朝日カルチャーセンターでの講演会(2度とも大好評だった)の講師料をチームに還元されている。
そういう方々を見習って、僕もほんの少しずつではあるが、この数年、チームに寄付を続けている。大きな試合の前にスポーツセンターで行う合宿には紀州・田辺特産のうまいミカンを差し入れるし、時には最高級南高梅の梅干しも持参する。
別に自慢したいわけではない。これもまた、校訓にいう「マスタリー・フォー・サービス」の一つだと思うからだ。
関西学院の4代目院長を務められたベーツ先生は1915年、高等学部の学生が作った「商光」という冊子の創刊号に「私たちの校訓『マスタリー・フォー・サービス』」という講演録を寄せておられる。関西学院が発行した「輝く自由」という冊子から、そのポイントを列挙してみる。
「私たちは強くあること、さまざまなことを自由に支配できる人(マスター)になることを目指します」「マスターとは知識を身につけ、チャンスを自らつかみ取り、自分自身を抑制できる、自分の欲や飲食や所有への思いを抑えることができる人です」
「私たちがマスターになろうとする目的は、自分自身を富ますことではなく、社会に奉仕することです」「人の偉大さは、どれだけ社会に奉仕したかによって決まるのです。それゆえ、本校の理想は強くて役に立つ人になることであり、弱くて使いものにならない人になることではありません。それぞれがマスターと呼ばれる人になることです」
ここまで言われると、ベーツ先生が礎を築かれた大学を卒業した劣等生の一人として、多少は何かをしたい、何かをしなければという気になるのではないか。
奉仕というキーワードでいえば、よくいわれるのが「お金のある者はお金を、知恵のある者は知恵を提供しよう。どちらもない者は汗を流そう」という言葉である。これをそれぞれの世界でマスターを自認する人が「惜しみなく」提供することによって、事態が動き出す。OB会費の納入からテレビ放映への協賛、チームへの指定寄付。現役学生の就職活動に力を貸したり、相談に乗ったりすることも立派な奉仕活動である。
もちろん、仲間を誘い合って試合会場に足を運び、チームに声援を送ることも、チケットや応援グッズをチームから購入して、クラブの運営をバックアップするのも立派な協力の仕方である。
そういう奉仕・協力活動まで含めて、どのチームよりも多くの方々に応援してもらっているのがファイターズである。幸せなチームと呼ぶ由縁である。
さあ、今度の日曜日は、京大との戦いである。ともに無傷のままで迎える戦いの必勝を期して、長居まで足を運ぼうではないか。応援席を盛り上げるのも、ファンにとっては大事な役割である。
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