石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(16)暑さに負けず勉強会
春のシーズンが終わり、関西学院大学は今日から前期試験。文武両道を目指すファイターズの諸君はいま、暑さに立ち向かって学業にいそしんでいる。
僕も非常勤講師として授業を担当しているが、評価は普段の授業で毎回のように書かせる小論文の点数が中心だから、あらためて試験はしない。つまり最終の授業日限りで、採点の仕事も終了。翌日には成績表をさっさと事務室に提出したから、本来、今頃は楽しい夏休みに突入、というところだが、そうは世間は甘くない。最終の授業が終了したその日の夜から、今度はスポーツ推薦でファイターズを目指す高校生を対象に「課外授業」が始まった。
この勉強会は、このコラムにも何度か書いたことだが、1999年の夏、当時、リクルートを担当されていた小野コーチの要請で、池田高校の平郡雷太君と箕面高校の池谷陽平君を相手に初めて実施して以降、毎年、この季節になると、僕が「先生役」を務めて続けている。
当時、僕は朝日新聞の論説委員をしていたので、大阪・中之島の本社に2人を呼んで、勤務時間の合間に近くの喫茶店で小論文の指導をした。2人とも頭脳明晰、打てば響くような高校生だったから、僕が少々説明不足でも、ポイントをすぐに理解し、毎回、1時間で800字という小論文を見事に仕上げてくれた。
これに味を占め、翌年からはそれなりのペーパーを準備。会場も確保して「困った時はおばあちゃんにお小遣いをねだるつもりで書けばいい」「とにかく800字を書ききろう」と教えてきた。小論文を書きなさいというだけではなく、書き終わった後のご褒美に、ケーキセットや簡単な食事があれば、勉強もはかどることを発見。勉強会の後には「お食事タイム」を設け、しばらく歓談するようにもした。距離が遠くて参加できない場合は、ファクスで小論文を送信してもらい、それを添削し、講評を添えて送りかえす仕組みも作った。
数えてみれば、今年でなんと15年。最初の年は2人だった生徒もやがて5人、10人と増えていき、今年は14人が参加している。合計の参加者は数えたことはないが、もう100人近くになっているのではないか。
うれしいのは、この勉強会に参加し、無事推薦入試に合格してくれた諸君が入学後、必ず僕を「先生」と呼んで慕ってくれること。そして大半のメンバーがファイターズの主力選手として活躍してくれることである。
今年の4年生で言えば、主将の池永君、副将の友國君、オフェンスの田渕君、上沢君、油谷君、石橋君、野々垣君、ディフェンスの吉田君、植屋君、片桐君、大森君はみな、この勉強会のメンバーである。これは彼らに限らず、ファイターズのメンバー全員に対して僕が心掛けていることだが、練習や試合でいいプレーを見せたときには、いち早く声を掛けるし、けがをしてリタイアしたときには、必ず激励の言葉を掛ける。
そんな中でも、勉強会に参加したメンバーについては、とりわけ親しみを感じる。時間が合えば、大学の食堂で昼飯を一緒にすることもある。
彼らとの勉強会は、夏休み中のごくごく限られた時間のつきあいだが、勉強会に参加したメンバーにとっては、高校時代を思い出す懐かしいシーンを共有した印象が残っているのだろう。僕にとっても、懐かしい記憶がいっぱいある。顔を見ただけで、当時、彼らが書いた小論文の出来、不出来、その字の上手、下手までが思い起こされる。
こうした関係は卒業してからも続き、顔を合わせるたびにみんなが親しく挨拶してくれる。最近出会ったり、電話で話したりしたOBに限っても池谷君(2003年度卒)、佐岡君、石田貴祐君(04年卒)、井上君(05年卒)、生田君(06年卒)、坂戸君、藤本君(08年卒)、亀井君(09年卒)、松原君(10年卒)、糟谷君、香山君、重田君、谷山君、佐藤君、東元君、長島君(11年卒)、押谷君、梶原君、小山君、望月君らはみな、この勉強会に参加したメンバーである。
勉強会を通じて、来年からのファイターズを担ってくれる有望なメンバーとの関係がチーム関係者の誰よりも早く始まる。暑いの、疲れたのなんて言ってはおれない。夏休みをゆっくりなんて、考えたこともない。
もちろん、高校生にとっても合宿だ、日米交流戦だと、なにかと日程の立て込んだ毎日である。その貴重な時間を有意義なものにするために、しっかりと文章の書き方を教えたい。大学に入ってからも戸惑うことのないように、少しばかりの手助けをしたい。
僕も非常勤講師として授業を担当しているが、評価は普段の授業で毎回のように書かせる小論文の点数が中心だから、あらためて試験はしない。つまり最終の授業日限りで、採点の仕事も終了。翌日には成績表をさっさと事務室に提出したから、本来、今頃は楽しい夏休みに突入、というところだが、そうは世間は甘くない。最終の授業が終了したその日の夜から、今度はスポーツ推薦でファイターズを目指す高校生を対象に「課外授業」が始まった。
この勉強会は、このコラムにも何度か書いたことだが、1999年の夏、当時、リクルートを担当されていた小野コーチの要請で、池田高校の平郡雷太君と箕面高校の池谷陽平君を相手に初めて実施して以降、毎年、この季節になると、僕が「先生役」を務めて続けている。
当時、僕は朝日新聞の論説委員をしていたので、大阪・中之島の本社に2人を呼んで、勤務時間の合間に近くの喫茶店で小論文の指導をした。2人とも頭脳明晰、打てば響くような高校生だったから、僕が少々説明不足でも、ポイントをすぐに理解し、毎回、1時間で800字という小論文を見事に仕上げてくれた。
これに味を占め、翌年からはそれなりのペーパーを準備。会場も確保して「困った時はおばあちゃんにお小遣いをねだるつもりで書けばいい」「とにかく800字を書ききろう」と教えてきた。小論文を書きなさいというだけではなく、書き終わった後のご褒美に、ケーキセットや簡単な食事があれば、勉強もはかどることを発見。勉強会の後には「お食事タイム」を設け、しばらく歓談するようにもした。距離が遠くて参加できない場合は、ファクスで小論文を送信してもらい、それを添削し、講評を添えて送りかえす仕組みも作った。
数えてみれば、今年でなんと15年。最初の年は2人だった生徒もやがて5人、10人と増えていき、今年は14人が参加している。合計の参加者は数えたことはないが、もう100人近くになっているのではないか。
うれしいのは、この勉強会に参加し、無事推薦入試に合格してくれた諸君が入学後、必ず僕を「先生」と呼んで慕ってくれること。そして大半のメンバーがファイターズの主力選手として活躍してくれることである。
今年の4年生で言えば、主将の池永君、副将の友國君、オフェンスの田渕君、上沢君、油谷君、石橋君、野々垣君、ディフェンスの吉田君、植屋君、片桐君、大森君はみな、この勉強会のメンバーである。これは彼らに限らず、ファイターズのメンバー全員に対して僕が心掛けていることだが、練習や試合でいいプレーを見せたときには、いち早く声を掛けるし、けがをしてリタイアしたときには、必ず激励の言葉を掛ける。
そんな中でも、勉強会に参加したメンバーについては、とりわけ親しみを感じる。時間が合えば、大学の食堂で昼飯を一緒にすることもある。
彼らとの勉強会は、夏休み中のごくごく限られた時間のつきあいだが、勉強会に参加したメンバーにとっては、高校時代を思い出す懐かしいシーンを共有した印象が残っているのだろう。僕にとっても、懐かしい記憶がいっぱいある。顔を見ただけで、当時、彼らが書いた小論文の出来、不出来、その字の上手、下手までが思い起こされる。
こうした関係は卒業してからも続き、顔を合わせるたびにみんなが親しく挨拶してくれる。最近出会ったり、電話で話したりしたOBに限っても池谷君(2003年度卒)、佐岡君、石田貴祐君(04年卒)、井上君(05年卒)、生田君(06年卒)、坂戸君、藤本君(08年卒)、亀井君(09年卒)、松原君(10年卒)、糟谷君、香山君、重田君、谷山君、佐藤君、東元君、長島君(11年卒)、押谷君、梶原君、小山君、望月君らはみな、この勉強会に参加したメンバーである。
勉強会を通じて、来年からのファイターズを担ってくれる有望なメンバーとの関係がチーム関係者の誰よりも早く始まる。暑いの、疲れたのなんて言ってはおれない。夏休みをゆっくりなんて、考えたこともない。
もちろん、高校生にとっても合宿だ、日米交流戦だと、なにかと日程の立て込んだ毎日である。その貴重な時間を有意義なものにするために、しっかりと文章の書き方を教えたい。大学に入ってからも戸惑うことのないように、少しばかりの手助けをしたい。
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