上ヶ原通信

11月3日体育会覇業交歓

投稿日時:2011/11/04(金) 12:08rss

 昨日の11月3日、上ヶ原キャンパスの中央芝生にて、体育会覇業交歓が行われました。1年間の体育会各部の全国制覇、関西制覇を表彰する式典で、我々ファイターズは昨年度の関西リーグ同率優勝を表彰していただきました。今シーズンこそ単独優勝、そして全国制覇を達成し、来年のこの式典で堂々と賞をいただけるよう、決意を新たにしています。
 さて、この日をもちまして、我々ファイターズの部員である野島大輔が体育会学生本部長の任期を終えました。1年間重責を担った野島に寄稿してもらいました。

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「私が本部長を一年間務めたことでわかったことは、『何もわからない』ということでした。」

 こんにちは。4年の野島大輔です。
 11月3日の覇業交歓をもって、私の体育会学生本部長の任期が終わりました。
 本部長に就任した当初、私が感じていたのは、関学の(体育会の)歴史や経緯を知ることなしには、本部長は務まらないだろうなあ、という漠然とした確信でした。そこで、就任前から少しずつ関学の創立の成り立ちや、学生会が現在の状態となるまでの経緯などを読み、聞き、知ろうとしました。そして現状の体育会の問題を認識しようとし、私(たち)なりに一年間取り組んできました。そうする中で、この一年間で、普通ではできない経験もいろいろさせていただいたし、多くの知識も得ました。
 そして、任期を終え、今思うのは「何もわからなかったな」ということなのです。
 知識において大切なのは、その知識自体(もしくはその量)ではなく、それを俯瞰的に見たとき、それがどういった意味を持つのかという、コンテクストの中におけるその情報(知識)の意味を把握しているかだと思います。それは例えるなら、大きな図書館があり、そして大量の本(知識)が目の前にあるとき、それをどのジャンルの書架に収めることが正しいのかを判断できる知識が必要ということです。
 関学体育会はもうすぐ100周年を迎えます。過去から連綿と続く体育会は、もちろん栄光のときばかりではなく、むしろ様々な問題を抱えながら、それを克服し、また新たな問題に出会い、という繰り返しだったと思います。そしてそれらは必ずしもベストな道にまっすぐに今に至ったのではないと思います。
 そして私は4年間をこの学校で過ごしました。本部長を務める内に学んだこと、経験したこと、そして今起きている(過去から続く)問題を、その歴史から続くどのようなコンテクストの内にそのことを位置付けることが良いのか判断するということができませんでした。100年のうちの4年間、本部長としてはたったの1年間ですから、そんなものと言えばそんなものなのですが、それでも私が理想としていた体育会学生本部としての働きはできずに終わってしまいました。
 社会人類学者のレヴィ=ストロースは、自分が何かを達成したときに、それを「獲得」であると感じず、「贈与」であると感じることができる能力を「人間性」と名付けました。また、人間の価値は何を成し遂げたかではなく、何を贈ったかによって考量される、とも言いました。これで本部長の任期は終えましたが、これからの未来の関学体育会に何かを贈るという大切な仕事がまだ残っています。それらを完遂するまでは、今日の日は一段落ではなく、一区切りという思いです。
 最後に、今まで支えてくれた体育会学生本部の仲間、関学教職員の方々、OB・OGの方々、関西学院に関わる全ての人に、感謝します。そして何より、ファイターズをほっぽりだしていくかのように、本部活動に専念した私を、理解し、受け入れてくれたファイターズのみんな、特に4年生にありがとうと伝えたいです。
 リーグ戦も終盤、ここが正念場。これまでの経験を少しでも還元し、ファイターズが1月3日まで突っ走れるよう頑張ります。

2011年度体育会学生本部長 4年 MGR 野島 大輔

※体育会学生本部長・野島大輔のブログ「のじ目線」はこちら

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