石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(15)僕の「本業」
ヘルペスって、油断がならない。初めは胸のあたりに時々、変な痛みが走る程度だったんだけど、お医者さんに診断してもらって、薬を飲み始めたころから、キツイ痛みに変わり、痛み止めを飲まないと仕事も手に着かなくなってしまった。1週間ほど前から、ようやく痛みはなくなったけど、不摂生をすると再発することが多いそうだ。
かかりつけの医者は「これも老化現象の一つですよ」と簡単にのたまう。けれども、老化を認めたくない僕としては、見栄を張って「もう痛みは消えました。大丈夫です」というしかない。そんなこんなで、このコラムもしばらく間があいてしまった。
そうこうするうちに、昨日(21日)は朝日新聞の夕刊(統合版地域では22日朝刊)に連載されている「メディア激変」に僕の名前が載り、古い知り合いから電話やメールが相次いでいる(ほんの2本だけですけど)。
どういうことで取り上げられたのかは、その新聞を読んでいただくとして、これは報酬をもらっている「本業」に関することだから、その仕事ぶりをまっとうに取り上げられることは、それなりにうれしい。先日来、朝日新聞社発行の「ジャーナリズム」という専門誌や日本新聞協会発行の「新聞研究」に、相次いで長文のレポートを掲載。「本業」の方でも、少しばかりは存在感をアピールしてきたから、それに注目してくれる人もいるということだろう。
けれども、世間からはまったく注目されていないところに、僕の本当の「本業」がある。ファイターズで活躍することを夢見て、スポーツ推薦で関西学院の試験を受けようとする高校生に対する小論文の指導である。毎年、この時期になると、毎週のように該当する高校生に集合してもらい、夜間、2~3時間の勉強会を開いて、文章の書き方を教えているのである。あの平郡君や池谷君の代からスタートした集まりだから、今年でもう12年目になる。
今年も、高校の1学期の試験が終わった直後から勉強会を始めた。関西勢は西宮市内の某所に集まってみっちりと個別指導。東京組は、ファクスで送ってもらった小論文を添削し、個別に講評を書いて送り返す。それをこの夏休み期間中、毎週のように続け、9月の試験に備えるのである。
スポーツ推薦制度について、ファイターズの受け止め方は、かなりストイックである。いま高校野球で問題になっている「特待生」制度とは、考え方が根本から違っている。監督にもコーチにも、アメフットの選手として優れていればそれでいい、という考え方はまったくない。アメフットを通じて、いかに立派な社会人を育成するか、人間としてどのように成長していくのか、という点に力点を置き、ファイターズという組織がその成長をどう担保していくか、というところに心を砕いている。
推薦入試を受ける高校生に対しても、この考え方は貫かれている。だからこそ、試験に備えて、少しでも勉強しよう、力を付けようということで、この勉強会も開催しているのである。及ばずながら、僕もお手伝いをさせていただいているのである。
毎年のことだが、この勉強会に集まってくる高校生は、好感の持てる子ばかりである。リクルートを担当しているディレクター補佐の宮本敬士氏やマネジャーの森田義樹君が高校生の試合を丁寧に見て回り、試合中のパフォーマンスはもちろん、それ以外の行動や学業に対する取り組みなどをチェックしたうえで、推薦するメンバーを厳選しているからだろう。
もともとが同じアメフットの選手。学校は違っても、関西の大会で対戦している選手同士だから、顔を会わせれば打ち解けるのも早い。勉強会のたびに、簡単な食事をともにして、あれやこれやと話し合うのだが、全員がもう同じチームのメンバーのように、親しく口をきいている。
その姿を見ていると、絶対にこの子たち全員を合格させたい、一人も落としたくないという気持ちになる。小論文指導者としての闘志がわいてくる。これが小論文指導を、僕の「本業」と思い定めている由縁である。
かかりつけの医者は「これも老化現象の一つですよ」と簡単にのたまう。けれども、老化を認めたくない僕としては、見栄を張って「もう痛みは消えました。大丈夫です」というしかない。そんなこんなで、このコラムもしばらく間があいてしまった。
そうこうするうちに、昨日(21日)は朝日新聞の夕刊(統合版地域では22日朝刊)に連載されている「メディア激変」に僕の名前が載り、古い知り合いから電話やメールが相次いでいる(ほんの2本だけですけど)。
どういうことで取り上げられたのかは、その新聞を読んでいただくとして、これは報酬をもらっている「本業」に関することだから、その仕事ぶりをまっとうに取り上げられることは、それなりにうれしい。先日来、朝日新聞社発行の「ジャーナリズム」という専門誌や日本新聞協会発行の「新聞研究」に、相次いで長文のレポートを掲載。「本業」の方でも、少しばかりは存在感をアピールしてきたから、それに注目してくれる人もいるということだろう。
けれども、世間からはまったく注目されていないところに、僕の本当の「本業」がある。ファイターズで活躍することを夢見て、スポーツ推薦で関西学院の試験を受けようとする高校生に対する小論文の指導である。毎年、この時期になると、毎週のように該当する高校生に集合してもらい、夜間、2~3時間の勉強会を開いて、文章の書き方を教えているのである。あの平郡君や池谷君の代からスタートした集まりだから、今年でもう12年目になる。
今年も、高校の1学期の試験が終わった直後から勉強会を始めた。関西勢は西宮市内の某所に集まってみっちりと個別指導。東京組は、ファクスで送ってもらった小論文を添削し、個別に講評を書いて送り返す。それをこの夏休み期間中、毎週のように続け、9月の試験に備えるのである。
スポーツ推薦制度について、ファイターズの受け止め方は、かなりストイックである。いま高校野球で問題になっている「特待生」制度とは、考え方が根本から違っている。監督にもコーチにも、アメフットの選手として優れていればそれでいい、という考え方はまったくない。アメフットを通じて、いかに立派な社会人を育成するか、人間としてどのように成長していくのか、という点に力点を置き、ファイターズという組織がその成長をどう担保していくか、というところに心を砕いている。
推薦入試を受ける高校生に対しても、この考え方は貫かれている。だからこそ、試験に備えて、少しでも勉強しよう、力を付けようということで、この勉強会も開催しているのである。及ばずながら、僕もお手伝いをさせていただいているのである。
毎年のことだが、この勉強会に集まってくる高校生は、好感の持てる子ばかりである。リクルートを担当しているディレクター補佐の宮本敬士氏やマネジャーの森田義樹君が高校生の試合を丁寧に見て回り、試合中のパフォーマンスはもちろん、それ以外の行動や学業に対する取り組みなどをチェックしたうえで、推薦するメンバーを厳選しているからだろう。
もともとが同じアメフットの選手。学校は違っても、関西の大会で対戦している選手同士だから、顔を会わせれば打ち解けるのも早い。勉強会のたびに、簡単な食事をともにして、あれやこれやと話し合うのだが、全員がもう同じチームのメンバーのように、親しく口をきいている。
その姿を見ていると、絶対にこの子たち全員を合格させたい、一人も落としたくないという気持ちになる。小論文指導者としての闘志がわいてくる。これが小論文指導を、僕の「本業」と思い定めている由縁である。
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