石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(11)磨けば光る原石
日曜日、関西学院第3フィールドで、待望のJV戦があった。相手は桃山学院大。2部の上位校である。選手の数を数えたら40人以上。デカい選手も多い。メンバー表を見ると、高校時代からアメフットを経験している選手も多いようで、JVの面々が胸を借りるには格好の相手である。
雨の中、試合開始の1時間以上前からグラウンドに顔を出す。まだお客さんは誰も見えていない。雨は次第に強くなり、準備運動をする選手たちはびしょ濡れ。それでも、試合に出場が予定されている選手たちは元気よく動いている。この日に備えてきたのか、頭をすっきり刈り上げている選手も多い。そんなところにも、この試合にかける1、2年生の意気込みが感じられる。
先発のメンバー表に目を通す。「今度のJV戦では1、2年生を大量に出しますよ」という鳥内監督の言葉通り期待の1年生が名前を連ねている。
オフェンスでは、ラインに長森(同志社国際)、石橋(足立学園)、田淵(滝川)の巨漢トリオが並び、TEの曽和(啓明学院)もデカい。ディフェンスではラインの池永(仁川学院)とDBの池田(高等部)がスタメンに名を連ね、それぞれ「なるほど」という評判にたがわぬ動きを見せてくれた。
スタメンではなかったが、途中から出場したDL中前(高等部)やDB大森(関西大倉)も、1年生とは思えぬ強烈なタックルで、観客に強い印象を与えた。パスキャッチはかなわなかったが、WRの梅本(高等部)や松下(高槻)も、軽快な動きで非凡な才能を感じさせてくれた。
2年生も負けてはいない。とりわけLBの高吹(武蔵工大付)、望月(足立学園)の東京組が大活躍。再三、強烈なタックルを相手に浴びせた。普段は辛口の堀口コーチも「あの二人は、上でも十分やれますよ」とベタ褒め。40ヤードを独走したRB後藤、再三切れ味のよい走りを見せた尾嶋、大石の高等部トリオはそれぞれTDを獲得、RB陣の層の厚さを見せつけた。DB藤原(高槻)やLB辻本(高等部)DL岸(高等部)らの動きも鋭く、今後の活躍が注目される。飛距離のあるキッカー堀本(啓明学院)の成長にも期待したい。
こうして名前を挙げて行くだけでも、今年は才能豊かな下級生が多い。他にもまだベールを脱いでいない注目の1年生がいっぱいいる。OLの張(大阪学芸)、木村(高等部)、友国(関西大倉)、油谷(報徳)らは体がデカくて動きも速い。高等部で野球部だったRB雑賀は40ヤードを4秒6台で走るし、同じ野球部出身のDB鳥内は、練習後の持久走でいつもダントツのトップを走っている。RB野々垣(関西大倉)の足の速さも魅力である。
こんな「磨けば光る」原石がごろごろしているのだから「今年の1年生は豊作」と監督やコーチが口をそろえるのもうなずける。
けれども、しょせん原石は原石。磨かなければ光らない。宝石にはならない。「玉みがかざれば光なし」である。
思い起こせば過去のファイターズには、せっかくの才能を発揮できないまま消えていった選手が少なくない。けがに見舞われたり、本人の努力が不足していたり。チームからは消えなくても、せっかくの天分を伸ばすことができず、並みの選手で終わった選手も少なくない。
逆に、主将の平澤をはじめ、QBの加藤やDBの善元、RBの松岡など、本気の練習を積み重ねて「とてつもない」プレーヤーに成長しつつある先輩も少なくない。
たぐいまれな才能に恵まれた1、2年生が今後、どこまで自発的に「本気の鍛錬」を積み重ねることができるのか。そこに選手の将来も、チームの未来もかかっている。ファイターズというチームに名前を連ねたことだけで満足するのか、それとも「とてつもない選手」を目指して日々精進し、鍛錬を重ねるのか。後者の選手が増えれば増えるほど、ファイターズが「日本1」になる確率が高くなってくることだけは間違いない。
ともあれ、楽しみなJV戦がもう1試合、春の日程に組み込まれた。7月3日の大阪学院大との試合である。期待の新戦力に興味のある方は、ぜひとも当日、第3フィールドに参集してほしい。そして自分の目で期待の下級生を見つけていただきたい。素晴らしい原石が見つかることを保証します。
雨の中、試合開始の1時間以上前からグラウンドに顔を出す。まだお客さんは誰も見えていない。雨は次第に強くなり、準備運動をする選手たちはびしょ濡れ。それでも、試合に出場が予定されている選手たちは元気よく動いている。この日に備えてきたのか、頭をすっきり刈り上げている選手も多い。そんなところにも、この試合にかける1、2年生の意気込みが感じられる。
先発のメンバー表に目を通す。「今度のJV戦では1、2年生を大量に出しますよ」という鳥内監督の言葉通り期待の1年生が名前を連ねている。
オフェンスでは、ラインに長森(同志社国際)、石橋(足立学園)、田淵(滝川)の巨漢トリオが並び、TEの曽和(啓明学院)もデカい。ディフェンスではラインの池永(仁川学院)とDBの池田(高等部)がスタメンに名を連ね、それぞれ「なるほど」という評判にたがわぬ動きを見せてくれた。
スタメンではなかったが、途中から出場したDL中前(高等部)やDB大森(関西大倉)も、1年生とは思えぬ強烈なタックルで、観客に強い印象を与えた。パスキャッチはかなわなかったが、WRの梅本(高等部)や松下(高槻)も、軽快な動きで非凡な才能を感じさせてくれた。
2年生も負けてはいない。とりわけLBの高吹(武蔵工大付)、望月(足立学園)の東京組が大活躍。再三、強烈なタックルを相手に浴びせた。普段は辛口の堀口コーチも「あの二人は、上でも十分やれますよ」とベタ褒め。40ヤードを独走したRB後藤、再三切れ味のよい走りを見せた尾嶋、大石の高等部トリオはそれぞれTDを獲得、RB陣の層の厚さを見せつけた。DB藤原(高槻)やLB辻本(高等部)DL岸(高等部)らの動きも鋭く、今後の活躍が注目される。飛距離のあるキッカー堀本(啓明学院)の成長にも期待したい。
こうして名前を挙げて行くだけでも、今年は才能豊かな下級生が多い。他にもまだベールを脱いでいない注目の1年生がいっぱいいる。OLの張(大阪学芸)、木村(高等部)、友国(関西大倉)、油谷(報徳)らは体がデカくて動きも速い。高等部で野球部だったRB雑賀は40ヤードを4秒6台で走るし、同じ野球部出身のDB鳥内は、練習後の持久走でいつもダントツのトップを走っている。RB野々垣(関西大倉)の足の速さも魅力である。
こんな「磨けば光る」原石がごろごろしているのだから「今年の1年生は豊作」と監督やコーチが口をそろえるのもうなずける。
けれども、しょせん原石は原石。磨かなければ光らない。宝石にはならない。「玉みがかざれば光なし」である。
思い起こせば過去のファイターズには、せっかくの才能を発揮できないまま消えていった選手が少なくない。けがに見舞われたり、本人の努力が不足していたり。チームからは消えなくても、せっかくの天分を伸ばすことができず、並みの選手で終わった選手も少なくない。
逆に、主将の平澤をはじめ、QBの加藤やDBの善元、RBの松岡など、本気の練習を積み重ねて「とてつもない」プレーヤーに成長しつつある先輩も少なくない。
たぐいまれな才能に恵まれた1、2年生が今後、どこまで自発的に「本気の鍛錬」を積み重ねることができるのか。そこに選手の将来も、チームの未来もかかっている。ファイターズというチームに名前を連ねたことだけで満足するのか、それとも「とてつもない選手」を目指して日々精進し、鍛錬を重ねるのか。後者の選手が増えれば増えるほど、ファイターズが「日本1」になる確率が高くなってくることだけは間違いない。
ともあれ、楽しみなJV戦がもう1試合、春の日程に組み込まれた。7月3日の大阪学院大との試合である。期待の新戦力に興味のある方は、ぜひとも当日、第3フィールドに参集してほしい。そして自分の目で期待の下級生を見つけていただきたい。素晴らしい原石が見つかることを保証します。
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