石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(1)光が見えた
20日は、2024年度関西学院大学ファイターズの初戦。場所は神戸市の王子スタジアム。迎える相手は東の伝統校、慶応。戦後間もなくから、ファイターズとは縁の深かったチームである。
この日は、大学の新入生歓迎行事の一つとして、この春、関西学院大学に入学したばかりの1年生を無料で招待する仕組みが作られたため、ファイターズの応援席は満員。かつて見たことのないほど数のそろったチアリーダーが繰り広げる華やかな応援もあって、試合前からスタンドは盛り上がった。
慶応のキックで試合開始。自陣24ヤードから始まったファイターズの攻撃は、QB芝原が率い、WR辻や五十嵐へのパスとRB伊丹、澤井のランを組み合わせて確実に陣地を進める。あれよあれよという間に相手ゴール前に迫り、仕上げは伊丹が中央を走り抜けてTD。キックも決まって7-0と先行する。
攻撃のリズムがいいと、守備も呼応する。相手がパス攻撃でダウンを更新し、さあ、これから反撃と勢い込んで投じたパスをDB松島が鮮やかにインターセプト。そのまま25ヤードほどを走って相手陣41ヤード付近から再びファイターズの攻撃。思い切りのよいランプレーで攻め、FGで3点を追加して10-0。
得点の上ではファイターズが主導権を握ったように見えるが、相手の士気は全く衰えない。逆に、選手層の厚いファイターズの2度目の攻撃シリーズをFGによる3点に抑えたことで、オレたちも戦いようによっては対等に戦えるぞ、と自信を付けたようにも見える。
案の定、相手QBは、立て続けに長いパスを投げ込んでくる。たとえ通らなくても、3本に1本が通れば陣地は進む、と覚悟を決めたような思い切りのよいパスを連発。一気にTDにまで持ち込み、10-7と追い上げる。
この局面で、チームを落ち着かせたのが昨シーズンから実績のあるRB陣。まずは伊丹が相手の蹴ったボールをセンターライン付近までリターン。続けて澤井が立て続けに中央を突いて陣地を進め、伊丹のラン、棚田へのパスなどで相手ゴールに迫る。第4ダウン残りインチという場面で澤井がTD。16-7とリードを広げる。
後半に入っても、ファイターズ守備陣の防御は堅い。相手QBの思い切りのよいパス攻撃に悩まされながら、素早い動きでそれを防ぎ、陣地は進めさせない。
局面が動いたのは、ファイターズベンチが次々とフレッシュなメンバーを登用してから。その代表が2年生QBリンスコット・トバヤスと1年生WR片桐太陽。リンスコットは昨年、DBとして起用されたが、高校(箕面自由)時代はQBとして活躍した選手。今春、入学したばかりの片桐は大産大附属高校時代、QBやWRとして知られた選手である。昨年、1年生でありながらWR・リターナーとして大活躍した小段選手とコンビを組んでいた選手と言えば、分かりやすいだろう。
僕は今季、上ヶ原のグラウンドで彼の動きを見る機会が何度かあったが、そのたびに上級生が彼の「スーパーキャッチ」を目にして、思わず拍手している場面に遭遇した。この日、彼がグラウンドに姿を見せた瞬間、その時の情景がよみがえり、今日もあのプレーを見せてくれ、と思わず願った。
期待はかなえられた。リンスコットからの長いパスを2本、立て続けにキャッチし、一気に陣地を進めたのである。上ヶ原のグラウンドでの動きを、そのまま初戦で披露出来る度胸のよさにも感動した。
初めての試合で、堂々と振る舞い、自分の持ち味を存分に発揮する。それは、今春入部した同級生はもちろん、上級生にとっても大いに刺激になることだろう。
互いに刺激し、競争することでチームの力が上がっていく。
彼だけではない。今春、ファイターズの門を叩いた新入生には、フットボール未経験者を含め、将来が期待できるメンバーが何人もいる。彼らが片桐の活躍に刺激され、練習に励んで、生き生きと活動してくれる日が楽しみでならない。
この日は、大学の新入生歓迎行事の一つとして、この春、関西学院大学に入学したばかりの1年生を無料で招待する仕組みが作られたため、ファイターズの応援席は満員。かつて見たことのないほど数のそろったチアリーダーが繰り広げる華やかな応援もあって、試合前からスタンドは盛り上がった。
慶応のキックで試合開始。自陣24ヤードから始まったファイターズの攻撃は、QB芝原が率い、WR辻や五十嵐へのパスとRB伊丹、澤井のランを組み合わせて確実に陣地を進める。あれよあれよという間に相手ゴール前に迫り、仕上げは伊丹が中央を走り抜けてTD。キックも決まって7-0と先行する。
攻撃のリズムがいいと、守備も呼応する。相手がパス攻撃でダウンを更新し、さあ、これから反撃と勢い込んで投じたパスをDB松島が鮮やかにインターセプト。そのまま25ヤードほどを走って相手陣41ヤード付近から再びファイターズの攻撃。思い切りのよいランプレーで攻め、FGで3点を追加して10-0。
得点の上ではファイターズが主導権を握ったように見えるが、相手の士気は全く衰えない。逆に、選手層の厚いファイターズの2度目の攻撃シリーズをFGによる3点に抑えたことで、オレたちも戦いようによっては対等に戦えるぞ、と自信を付けたようにも見える。
案の定、相手QBは、立て続けに長いパスを投げ込んでくる。たとえ通らなくても、3本に1本が通れば陣地は進む、と覚悟を決めたような思い切りのよいパスを連発。一気にTDにまで持ち込み、10-7と追い上げる。
この局面で、チームを落ち着かせたのが昨シーズンから実績のあるRB陣。まずは伊丹が相手の蹴ったボールをセンターライン付近までリターン。続けて澤井が立て続けに中央を突いて陣地を進め、伊丹のラン、棚田へのパスなどで相手ゴールに迫る。第4ダウン残りインチという場面で澤井がTD。16-7とリードを広げる。
後半に入っても、ファイターズ守備陣の防御は堅い。相手QBの思い切りのよいパス攻撃に悩まされながら、素早い動きでそれを防ぎ、陣地は進めさせない。
局面が動いたのは、ファイターズベンチが次々とフレッシュなメンバーを登用してから。その代表が2年生QBリンスコット・トバヤスと1年生WR片桐太陽。リンスコットは昨年、DBとして起用されたが、高校(箕面自由)時代はQBとして活躍した選手。今春、入学したばかりの片桐は大産大附属高校時代、QBやWRとして知られた選手である。昨年、1年生でありながらWR・リターナーとして大活躍した小段選手とコンビを組んでいた選手と言えば、分かりやすいだろう。
僕は今季、上ヶ原のグラウンドで彼の動きを見る機会が何度かあったが、そのたびに上級生が彼の「スーパーキャッチ」を目にして、思わず拍手している場面に遭遇した。この日、彼がグラウンドに姿を見せた瞬間、その時の情景がよみがえり、今日もあのプレーを見せてくれ、と思わず願った。
期待はかなえられた。リンスコットからの長いパスを2本、立て続けにキャッチし、一気に陣地を進めたのである。上ヶ原のグラウンドでの動きを、そのまま初戦で披露出来る度胸のよさにも感動した。
初めての試合で、堂々と振る舞い、自分の持ち味を存分に発揮する。それは、今春入部した同級生はもちろん、上級生にとっても大いに刺激になることだろう。
互いに刺激し、競争することでチームの力が上がっていく。
彼だけではない。今春、ファイターズの門を叩いた新入生には、フットボール未経験者を含め、将来が期待できるメンバーが何人もいる。彼らが片桐の活躍に刺激され、練習に励んで、生き生きと活動してくれる日が楽しみでならない。
この記事は外部ブログを参照しています。すべて見るには下のリンクをクリックしてください。
記事タイトル:(1)光が見えた
(ブログタイトル:石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」)
アーカイブ
- 2024年11月(3)
- 2024年10月(3)
- 2024年9月(3)
- 2024年6月(2)
- 2024年5月(3)
- 2024年4月(1)
- 2023年12月(3)
- 2023年11月(3)
- 2023年10月(4)
- 2023年9月(3)
- 2023年7月(1)
- 2023年6月(1)
- 2023年5月(3)
- 2023年4月(1)
- 2022年12月(2)
- 2022年11月(3)
- 2022年10月(3)
- 2022年9月(2)
- 2022年8月(1)
- 2022年7月(1)
- 2022年6月(2)
- 2022年5月(3)
- 2021年12月(3)
- 2021年11月(3)
- 2021年10月(4)
- 2021年1月(2)
- 2020年12月(3)
- 2020年11月(4)
- 2020年10月(4)
- 2020年9月(2)
- 2020年1月(3)
- 2019年12月(3)
- 2019年11月(3)
- 2019年10月(5)
- 2019年9月(4)
- 2019年8月(3)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(4)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(4)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(4)
- 2018年11月(4)
- 2018年10月(5)
- 2018年9月(3)
- 2018年8月(4)
- 2018年7月(2)
- 2018年6月(3)
- 2018年5月(4)
- 2018年4月(3)
- 2017年12月(3)
- 2017年11月(4)
- 2017年10月(3)
- 2017年9月(4)
- 2017年8月(4)
- 2017年7月(3)
- 2017年6月(4)
- 2017年5月(4)
- 2017年4月(4)
- 2017年1月(2)
- 2016年12月(4)
- 2016年11月(5)
- 2016年10月(3)
- 2016年9月(4)
- 2016年8月(4)
- 2016年7月(3)
- 2016年6月(2)
- 2016年5月(4)
- 2016年4月(4)
- 2015年12月(1)
- 2015年11月(4)
- 2015年10月(3)
- 2015年9月(5)
- 2015年8月(3)
- 2015年7月(5)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(2)
- 2015年4月(3)
- 2015年3月(3)
- 2015年1月(2)
- 2014年12月(4)
- 2014年11月(4)
- 2014年10月(4)
- 2014年9月(4)
- 2014年8月(4)
- 2014年7月(4)
- 2014年6月(4)
- 2014年5月(5)
- 2014年4月(4)
- 2014年1月(1)
- 2013年12月(5)
- 2013年11月(4)
- 2013年10月(5)
- 2013年9月(3)
- 2013年8月(3)
- 2013年7月(4)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(5)
- 2013年4月(4)
- 2013年1月(1)
- 2012年12月(4)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(4)
- 2012年9月(5)
- 2012年8月(4)
- 2012年7月(3)
- 2012年6月(3)
- 2012年5月(5)
- 2012年4月(4)
- 2012年1月(1)
- 2011年12月(5)
- 2011年11月(5)
- 2011年10月(4)
- 2011年9月(4)
- 2011年8月(3)
- 2011年7月(3)
- 2011年6月(4)
- 2011年5月(5)
- 2011年4月(4)
- 2010年12月(1)
- 2010年11月(4)
- 2010年10月(4)
- 2010年9月(4)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(2)
- 2010年6月(5)
- 2010年5月(3)
- 2010年4月(4)
- 2010年3月(1)
- 2009年11月(4)
- 2009年10月(4)
- 2009年9月(3)
- 2009年8月(4)
- 2009年7月(3)
- 2009年6月(4)
- 2009年5月(3)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(1)
- 2008年12月(1)
- 2008年11月(4)
- 2008年10月(3)
- 2008年9月(5)
- 2008年8月(2)
- 2008年4月(1)
コメント