石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(13)驚きの京大戦
ついこの間、今年度のリーグ戦が始まったばかりと思っていたのに、もう5戦目。28日は、京都大との戦い。一昔前までは「宿命のライバル」として、熾烈な覇権争いを続けてきた相手である。
この日の試合を場内限定のFM放送で解説された小野宏ディレクターも、放送が始まると同時に「京大は本当に厄介な相手。現役時代から何度も痛い目に遭わされました。リーグ戦で勝ったのは2年生の時だけで、後は28-35、7-17、28-30で敗戦。コーチとしてチームに戻ってからも、何度も痛い目に遭いました」と、それぞれの試合展開を振り返って解説。「今年も、相手のQBが素晴らしいから、今日も厄介な試合になりますよ」と予想されていた。
悪い予感はよく当たる。ファイターズのキックで始まった京大の第1シリーズがその典型。自陣18ヤードから始まった攻撃は、いきなりパスプレーの連発。それにQBのランプレーを交えてぐいぐいと陣地を進める。あっという間に関学陣に入り、仕上げも10ヤードのパスでTD。7-0と先手を奪う。
これはこれは、と驚いているのは観客席。グラウンドの選手の胸中も同様だったろうが、ファイターズのオフェンス陣は、そんな気配は毛頭見せない。伊丹と澤井が立て続けにダウンを更新し、相手の守備陣をランプレーに集中させる。それを見極めたベンチはパスプレーを選択。それに応じてQB鎌田がWR鈴木に65ヤードのパスを通し、TD。大西のキックも決まって7-7と追い付く。
しかし相手も、QBの変幻自在のプレーを中心に一歩も譲らない。相手のキッキングチームも同様だ。次のファイターズの攻撃は自陣5ヤードから。ゴールラインを背負って、どう陣地を回復するのだろうと注目した第1プレー。ファイターズには、予想していなかったようなビッグプレーが飛び出した。
主役はRB伊丹。自陣ゴールライン上でQB鎌田からボールを渡された瞬間にカットを切り、そのまま右サイドライン際を駆け上がってTD。記録された獲得距離は95ヤード。伊丹の走力も素晴らしかったが、彼を守って追走し、相手守備陣のタックルを防ぎ切ったレシーバー陣の協力も見事だった。
このプレーに刺激されたのか、今度は守備陣が次々と素晴らしいプレーを連発する。DB波田と山村が立て続けにボールキャリアにタックルを見舞い、DL浅浦が素早い出足で何度も相手QBに襲いかかる。
好守がかみ合えば、試合は落ち着く。能力の高いQBを生かすべく「考えに考え抜かれたたプレー」(小野ディレクター)で攻め込んでくる相手の反撃をしのぎ、21-7で前半終了。
後半の立ち上がり、ファイターズは思わぬファンブルで相手に7点を返されるが、前半のリードがあるから慌てない。まずはK大西のフィールドゴールで3点。DB高橋のインターセプトでつかんだ相手ゴール前からの攻撃でQB鎌田がWR小段に10ヤードほどのTDパスを通し、キックも決めて7点を追加。31-14とリードを広げる。
こうなると、守備陣にも余裕が出てくる。立ち上がりは相手QBの変幻自在なパスに苦しんでいたが、徐々に反応できるようになってくる。まずはDB中野が相手のパスを反応良くインターセプト。そのままゴールまで駆け込んでTDに仕上げる。
ファイターズに勢いが出ると、相手も焦り出す。相手リターナーが自陣奥深くからリターン中にボールをファンブル。それを確保したファイターズが相手ゴール前26ヤード付近から攻撃に移る。QB星野がWR鈴木、五十嵐に短いパスを通し、自らのキーププレーで陣地を稼いで、RB澤井のTDランに結びつける。
終わってみれば45-20。高い能力を持ったQBを中心に、練りに練った作戦で長年のライバルを倒そうとする相手を、ファイターズは攻撃と守備が互いに助け合って倒した。
互いに知恵を絞り、力を尽くして戦う戦士たち。その奮闘に拍手を送りながら「こういうライバルがいるからこそ、アメフットは面白い。応援したい」という気持ちが募ってくる。
同時に、なぜ、こんなに魅力的なスポーツなのに観客席が満席にならないのか、不思議でならない。何度も繰り返すが、なんとかしてこの魅力をより多くの方々に共有してもらい、試合会場に足を運んでもらえるような方策はないのだろうか。
次週は立命館が相手。これまた、最終戦の関大戦とともに、絶対に見逃せない試合である。1人でも多く友人、知人を連れ出してスタンドに参集してもらいたい。
この日の試合を場内限定のFM放送で解説された小野宏ディレクターも、放送が始まると同時に「京大は本当に厄介な相手。現役時代から何度も痛い目に遭わされました。リーグ戦で勝ったのは2年生の時だけで、後は28-35、7-17、28-30で敗戦。コーチとしてチームに戻ってからも、何度も痛い目に遭いました」と、それぞれの試合展開を振り返って解説。「今年も、相手のQBが素晴らしいから、今日も厄介な試合になりますよ」と予想されていた。
悪い予感はよく当たる。ファイターズのキックで始まった京大の第1シリーズがその典型。自陣18ヤードから始まった攻撃は、いきなりパスプレーの連発。それにQBのランプレーを交えてぐいぐいと陣地を進める。あっという間に関学陣に入り、仕上げも10ヤードのパスでTD。7-0と先手を奪う。
これはこれは、と驚いているのは観客席。グラウンドの選手の胸中も同様だったろうが、ファイターズのオフェンス陣は、そんな気配は毛頭見せない。伊丹と澤井が立て続けにダウンを更新し、相手の守備陣をランプレーに集中させる。それを見極めたベンチはパスプレーを選択。それに応じてQB鎌田がWR鈴木に65ヤードのパスを通し、TD。大西のキックも決まって7-7と追い付く。
しかし相手も、QBの変幻自在のプレーを中心に一歩も譲らない。相手のキッキングチームも同様だ。次のファイターズの攻撃は自陣5ヤードから。ゴールラインを背負って、どう陣地を回復するのだろうと注目した第1プレー。ファイターズには、予想していなかったようなビッグプレーが飛び出した。
主役はRB伊丹。自陣ゴールライン上でQB鎌田からボールを渡された瞬間にカットを切り、そのまま右サイドライン際を駆け上がってTD。記録された獲得距離は95ヤード。伊丹の走力も素晴らしかったが、彼を守って追走し、相手守備陣のタックルを防ぎ切ったレシーバー陣の協力も見事だった。
このプレーに刺激されたのか、今度は守備陣が次々と素晴らしいプレーを連発する。DB波田と山村が立て続けにボールキャリアにタックルを見舞い、DL浅浦が素早い出足で何度も相手QBに襲いかかる。
好守がかみ合えば、試合は落ち着く。能力の高いQBを生かすべく「考えに考え抜かれたたプレー」(小野ディレクター)で攻め込んでくる相手の反撃をしのぎ、21-7で前半終了。
後半の立ち上がり、ファイターズは思わぬファンブルで相手に7点を返されるが、前半のリードがあるから慌てない。まずはK大西のフィールドゴールで3点。DB高橋のインターセプトでつかんだ相手ゴール前からの攻撃でQB鎌田がWR小段に10ヤードほどのTDパスを通し、キックも決めて7点を追加。31-14とリードを広げる。
こうなると、守備陣にも余裕が出てくる。立ち上がりは相手QBの変幻自在なパスに苦しんでいたが、徐々に反応できるようになってくる。まずはDB中野が相手のパスを反応良くインターセプト。そのままゴールまで駆け込んでTDに仕上げる。
ファイターズに勢いが出ると、相手も焦り出す。相手リターナーが自陣奥深くからリターン中にボールをファンブル。それを確保したファイターズが相手ゴール前26ヤード付近から攻撃に移る。QB星野がWR鈴木、五十嵐に短いパスを通し、自らのキーププレーで陣地を稼いで、RB澤井のTDランに結びつける。
終わってみれば45-20。高い能力を持ったQBを中心に、練りに練った作戦で長年のライバルを倒そうとする相手を、ファイターズは攻撃と守備が互いに助け合って倒した。
互いに知恵を絞り、力を尽くして戦う戦士たち。その奮闘に拍手を送りながら「こういうライバルがいるからこそ、アメフットは面白い。応援したい」という気持ちが募ってくる。
同時に、なぜ、こんなに魅力的なスポーツなのに観客席が満席にならないのか、不思議でならない。何度も繰り返すが、なんとかしてこの魅力をより多くの方々に共有してもらい、試合会場に足を運んでもらえるような方策はないのだろうか。
次週は立命館が相手。これまた、最終戦の関大戦とともに、絶対に見逃せない試合である。1人でも多く友人、知人を連れ出してスタンドに参集してもらいたい。
この記事は外部ブログを参照しています。すべて見るには下のリンクをクリックしてください。
記事タイトル:(13)驚きの京大戦
(ブログタイトル:石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」)
アーカイブ
- 2024年10月(3)
- 2024年9月(3)
- 2024年6月(2)
- 2024年5月(3)
- 2024年4月(1)
- 2023年12月(3)
- 2023年11月(3)
- 2023年10月(4)
- 2023年9月(3)
- 2023年7月(1)
- 2023年6月(1)
- 2023年5月(3)
- 2023年4月(1)
- 2022年12月(2)
- 2022年11月(3)
- 2022年10月(3)
- 2022年9月(2)
- 2022年8月(1)
- 2022年7月(1)
- 2022年6月(2)
- 2022年5月(3)
- 2021年12月(3)
- 2021年11月(3)
- 2021年10月(4)
- 2021年1月(2)
- 2020年12月(3)
- 2020年11月(4)
- 2020年10月(4)
- 2020年9月(2)
- 2020年1月(3)
- 2019年12月(3)
- 2019年11月(3)
- 2019年10月(5)
- 2019年9月(4)
- 2019年8月(3)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(4)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(4)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(4)
- 2018年11月(4)
- 2018年10月(5)
- 2018年9月(3)
- 2018年8月(4)
- 2018年7月(2)
- 2018年6月(3)
- 2018年5月(4)
- 2018年4月(3)
- 2017年12月(3)
- 2017年11月(4)
- 2017年10月(3)
- 2017年9月(4)
- 2017年8月(4)
- 2017年7月(3)
- 2017年6月(4)
- 2017年5月(4)
- 2017年4月(4)
- 2017年1月(2)
- 2016年12月(4)
- 2016年11月(5)
- 2016年10月(3)
- 2016年9月(4)
- 2016年8月(4)
- 2016年7月(3)
- 2016年6月(2)
- 2016年5月(4)
- 2016年4月(4)
- 2015年12月(1)
- 2015年11月(4)
- 2015年10月(3)
- 2015年9月(5)
- 2015年8月(3)
- 2015年7月(5)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(2)
- 2015年4月(3)
- 2015年3月(3)
- 2015年1月(2)
- 2014年12月(4)
- 2014年11月(4)
- 2014年10月(4)
- 2014年9月(4)
- 2014年8月(4)
- 2014年7月(4)
- 2014年6月(4)
- 2014年5月(5)
- 2014年4月(4)
- 2014年1月(1)
- 2013年12月(5)
- 2013年11月(4)
- 2013年10月(5)
- 2013年9月(3)
- 2013年8月(3)
- 2013年7月(4)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(5)
- 2013年4月(4)
- 2013年1月(1)
- 2012年12月(4)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(4)
- 2012年9月(5)
- 2012年8月(4)
- 2012年7月(3)
- 2012年6月(3)
- 2012年5月(5)
- 2012年4月(4)
- 2012年1月(1)
- 2011年12月(5)
- 2011年11月(5)
- 2011年10月(4)
- 2011年9月(4)
- 2011年8月(3)
- 2011年7月(3)
- 2011年6月(4)
- 2011年5月(5)
- 2011年4月(4)
- 2010年12月(1)
- 2010年11月(4)
- 2010年10月(4)
- 2010年9月(4)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(2)
- 2010年6月(5)
- 2010年5月(3)
- 2010年4月(4)
- 2010年3月(1)
- 2009年11月(4)
- 2009年10月(4)
- 2009年9月(3)
- 2009年8月(4)
- 2009年7月(3)
- 2009年6月(4)
- 2009年5月(3)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(1)
- 2008年12月(1)
- 2008年11月(4)
- 2008年10月(3)
- 2008年9月(5)
- 2008年8月(2)
- 2008年4月(1)
コメント