石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(3)空白の半年を埋めよう
この一カ月、週末ごとに上ヶ原の第3フィールドを訪れ、ファイターズの練習を遠くから眺めている。そのたびに、新型コロナウイルスの感染が広がったこの社会の変容に思いを馳せ、それが大学生活や課外活動に与えた影響の大きさを実感する。
第一に、例年なら大学の後期試験が終わった後、2月から新しいチームがスタートし、「虎の穴」とも形容される千刈キャンプ場でのトレーニング合宿などが進んでいたが、3月には学内スポーツセンターで予定されていた二度の合宿が中止となった。4月になって大学への立ち入りが禁止され、チームとしての活動はすべてストップ。練習はおろかミーティングもできなくなった。
6月下旬から練習が再開されたが、1日に1時間、グラウンドに入れるのは20人以内という条件付き。部員同士が距離をとってのフィールドトレーニングだけ。
いつもの年ならこの時期には関東のチームとの交流戦や社会人との試合が組まれ、JV戦も3試合程度は組まれる。その間、グラウンドでの練習がない日には、パートごと、あるいは全体でミーティングの時間を持ち、練習や試合のビデオを見て、それぞれのプレーの精度を高める工夫もする。新しく入部した1年生もそうした機会を通じて徐々にファイターズというチームになじみ、その文化を吸収していく。
その仕上げになるのが東鉢伏高原での夏合宿であり、チームはそこで骨格を整えて秋のシーズンを迎える。
しかし、今年はその機会がすべて失われた。体力・技術・精神面を含めたチームの土台作りが不十分なまま秋のシーズンを迎えなければならないのである。
7月には再び活動が止まり、8月1日から練習が再開されたが、人数制限が維持され、人と人が接触する練習は禁止といった限定付きでそれでだけではできることは限られている。学内の食堂なども閉鎖されていたから、日々の食事にも苦労した。
ようやく8月も下旬になって、徐々に練習の機会が増え、9月23日に授業が再開されてからはほぼ例年通りの練習ができるようになったが、この半年間のブランクは大きい。
それは、グラウンドでの部員の動きを見れば、即座に分かる。昨年の秋、あの厳しい関西リーグを戦い、立命館との決戦を制して甲子園の舞台に立ち、さらには東京ドームで社会人代表と戦ったメンバーたちの姿がやたらと目立つのだ。逆の言い方をすれば、新しいメンバーの台頭が見えてこないということである。今季のチームは、昨年卒業した4年生を欠いたままの戦力で、戦いに挑まなければならない可能性がある。
試合を想定したチーム練習になると、それはさらに明確になる。キッキングの練習でも同様だ。チームとしての練習量が決定的に少ないのだから、ミスも出る。当然と言えば当然だろうが、例年、この時期には春のシーズンを通して急激に伸びてきた選手がけっこう目に付くのに、今年はそれが少ない。
大量に入部した1年生には、素人目に見ても有望な選手が何人もいる。けれども、彼らにはまだまだ先輩に対する遠慮が見える。僕のような「観客席の人間」でさえ素晴らしい才能を感じ、実際に1年生とは到底思えないようなプレーができていても、大学での試合を経験していないせいか、なんとなく「お客さん」という感じがしてしまうのである。
本来なら、こうした1年生も春のJV戦から出場の機会をつかみ、そこで堂々のアピールをしてチームに溶け込み、今頃は名実ともに試合に出るのが当たり前となっていたはずなのに、今年はその機会が失われている。そこがつらい。
今季はリーグ戦でなくトーナメント。負ければ終わりの一発勝負である。そこでどれだけ新しい戦力が活躍できるか。と言うよりも、学年に関係なくそうした選手の台頭なしには今季は戦い切れないだろう。
開幕までの時間は限られている。だからこそ、昨年活躍したメンバーを追い抜いて活躍してやると心に誓い、努力してくれる選手の登場を待ちたい。新しく入部したメンバーも遠慮は無用。自らの才能を信じて努力を重ね、戦列に加わってもらいたい。ここからが本当の勝負である。一所懸命。努力で空白の半年を埋めようではないか。
第一に、例年なら大学の後期試験が終わった後、2月から新しいチームがスタートし、「虎の穴」とも形容される千刈キャンプ場でのトレーニング合宿などが進んでいたが、3月には学内スポーツセンターで予定されていた二度の合宿が中止となった。4月になって大学への立ち入りが禁止され、チームとしての活動はすべてストップ。練習はおろかミーティングもできなくなった。
6月下旬から練習が再開されたが、1日に1時間、グラウンドに入れるのは20人以内という条件付き。部員同士が距離をとってのフィールドトレーニングだけ。
いつもの年ならこの時期には関東のチームとの交流戦や社会人との試合が組まれ、JV戦も3試合程度は組まれる。その間、グラウンドでの練習がない日には、パートごと、あるいは全体でミーティングの時間を持ち、練習や試合のビデオを見て、それぞれのプレーの精度を高める工夫もする。新しく入部した1年生もそうした機会を通じて徐々にファイターズというチームになじみ、その文化を吸収していく。
その仕上げになるのが東鉢伏高原での夏合宿であり、チームはそこで骨格を整えて秋のシーズンを迎える。
しかし、今年はその機会がすべて失われた。体力・技術・精神面を含めたチームの土台作りが不十分なまま秋のシーズンを迎えなければならないのである。
7月には再び活動が止まり、8月1日から練習が再開されたが、人数制限が維持され、人と人が接触する練習は禁止といった限定付きでそれでだけではできることは限られている。学内の食堂なども閉鎖されていたから、日々の食事にも苦労した。
ようやく8月も下旬になって、徐々に練習の機会が増え、9月23日に授業が再開されてからはほぼ例年通りの練習ができるようになったが、この半年間のブランクは大きい。
それは、グラウンドでの部員の動きを見れば、即座に分かる。昨年の秋、あの厳しい関西リーグを戦い、立命館との決戦を制して甲子園の舞台に立ち、さらには東京ドームで社会人代表と戦ったメンバーたちの姿がやたらと目立つのだ。逆の言い方をすれば、新しいメンバーの台頭が見えてこないということである。今季のチームは、昨年卒業した4年生を欠いたままの戦力で、戦いに挑まなければならない可能性がある。
試合を想定したチーム練習になると、それはさらに明確になる。キッキングの練習でも同様だ。チームとしての練習量が決定的に少ないのだから、ミスも出る。当然と言えば当然だろうが、例年、この時期には春のシーズンを通して急激に伸びてきた選手がけっこう目に付くのに、今年はそれが少ない。
大量に入部した1年生には、素人目に見ても有望な選手が何人もいる。けれども、彼らにはまだまだ先輩に対する遠慮が見える。僕のような「観客席の人間」でさえ素晴らしい才能を感じ、実際に1年生とは到底思えないようなプレーができていても、大学での試合を経験していないせいか、なんとなく「お客さん」という感じがしてしまうのである。
本来なら、こうした1年生も春のJV戦から出場の機会をつかみ、そこで堂々のアピールをしてチームに溶け込み、今頃は名実ともに試合に出るのが当たり前となっていたはずなのに、今年はその機会が失われている。そこがつらい。
今季はリーグ戦でなくトーナメント。負ければ終わりの一発勝負である。そこでどれだけ新しい戦力が活躍できるか。と言うよりも、学年に関係なくそうした選手の台頭なしには今季は戦い切れないだろう。
開幕までの時間は限られている。だからこそ、昨年活躍したメンバーを追い抜いて活躍してやると心に誓い、努力してくれる選手の登場を待ちたい。新しく入部したメンバーも遠慮は無用。自らの才能を信じて努力を重ね、戦列に加わってもらいたい。ここからが本当の勝負である。一所懸命。努力で空白の半年を埋めようではないか。
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