石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(28)ようし、もう一丁
10日、万博記念競技場での立命戦は、試合の始まる2時間前から応援席に座っていた。しかし、不愉快なことが相次ぎ、キックオフの1時間前には、もう疲れ果てていた。
その内容は、ここで説明するようなことではないが、ファイターズの応援に通うようになって数十年、最も不愉快な1日であったことは間違いない。
けれども、試合が始まると、その進行を追うのに熱中した。ファイターズは終始後手に回ったが、本当に強い立命を見て、ようし、もう一丁という闘志がわいて来た。
午後3時、待ちに待ったキックオフ。ファイターズが自陣25ヤードから攻撃を始める。QB奥野からRB三宅やTE勝部へのパスがポンポンと決まってわずか4プレーでゴール前21ヤードまで進む。しかし、そこから相手の壁を突破できない。やむなくK安藤がFGに挑むが、それが外れ、先制点を逃がす。
がくっと来るファイターズとは対照的に相手のベンチは盛り上がる。パスとランを織り交ぜた力強い攻撃で着実にダウンを更新。守備陣が早い動きで止めようとするが、重戦車のような相手の圧力を止めるのは容易ではない。FGの3点でしのぐのが精一杯だった。
なんとか反撃をと祈るような気持ちで応援していても、事態は好転しない。逆にパスを奪い取られてまたFGの3点を献上。前半終了間際にも3本目のFGを決められ9-0で折り返す。
後半に入った頃から、守備陣の動きがよくなり、互いにパントを蹴り合う展開。均衡を破ったのはファイターズ。奥野から糸川、三宅、阿部、鈴木、また三宅へと、ターゲットを次々と変えたパスが立て続けに決まり、ゴール前1ヤードに迫る。仕上げはRB前田公。ゴール中央へ飛び込んで待望のTD。安藤のキックも決まって9-7と追い上げる。
しかし、そこからの攻撃が続かない。相手守備陣の的確な対応でパスコースがふさがれ、ランも止められる。あげくにファンブルで相手に攻撃権を渡し、勢い付いたオフェンスに決定的なTDを奪われる。
苦しい戦いは試合後に公表された両チームのスタッツを見れば理解できよう。ダウンの更新はわずかに7回。それもパスばかりでランによる更新は一度もない。獲得ヤードも相手の258ヤードに対してわが方は155ヤード。ランでは計13ヤードしか進めていない。逆に被インターセプトが2回、ファンブルが1回あるのだから、苦しいことこの上ない。わずかな光明といえば、QBサックが3回という、守備陣のがんばりを象徴する数字があるだけだ。
結果は18-7。点差以上に圧倒されたという印象の残る試合となった。
試合後、鳥内監督から「インセプやファンブルがあんなにあったら勝てんわな。捕れる球も落としてたし…」という言葉があったが、まさにその通り。せっかく反撃ムードが盛り上がってきたのに、落球やファンブルでそれに水を差す。耐え続けた守備陣も徐々に疲労が積み重なり、戦列を離れる選手が出てくる。そこを突くように相手がパワフルなラン攻撃でたたみかける。なかなか勝利への道筋の見えてこない試合だった。
悔しい敗戦だが、それでもシーズンが終わったわけではない。今週末から2週連続で行われる試合を勝ち抜けば、再度雌雄を決する機会が手に入る。その間、じっくりと次の試合に備えることのできる相手と比べると、苦しい状況であることは間違いないが、それでも名誉挽回のチャンスは残されている。
その試合を見据えて、どのようにチームの状態をアップしていくか。骨のきしむような今回の戦いで、その強さを実感した相手に、どう立ち向かうのか。どこに突破口を見つけるのか。タイトなスケジュールではあるが、時間はまだ残されている。気持ちを強く持って練習に励み、再度の戦いに挑み続けてもらいたい。
合い言葉は捲土重来。こんなところでくたばってたまるか、である。
その内容は、ここで説明するようなことではないが、ファイターズの応援に通うようになって数十年、最も不愉快な1日であったことは間違いない。
けれども、試合が始まると、その進行を追うのに熱中した。ファイターズは終始後手に回ったが、本当に強い立命を見て、ようし、もう一丁という闘志がわいて来た。
午後3時、待ちに待ったキックオフ。ファイターズが自陣25ヤードから攻撃を始める。QB奥野からRB三宅やTE勝部へのパスがポンポンと決まってわずか4プレーでゴール前21ヤードまで進む。しかし、そこから相手の壁を突破できない。やむなくK安藤がFGに挑むが、それが外れ、先制点を逃がす。
がくっと来るファイターズとは対照的に相手のベンチは盛り上がる。パスとランを織り交ぜた力強い攻撃で着実にダウンを更新。守備陣が早い動きで止めようとするが、重戦車のような相手の圧力を止めるのは容易ではない。FGの3点でしのぐのが精一杯だった。
なんとか反撃をと祈るような気持ちで応援していても、事態は好転しない。逆にパスを奪い取られてまたFGの3点を献上。前半終了間際にも3本目のFGを決められ9-0で折り返す。
後半に入った頃から、守備陣の動きがよくなり、互いにパントを蹴り合う展開。均衡を破ったのはファイターズ。奥野から糸川、三宅、阿部、鈴木、また三宅へと、ターゲットを次々と変えたパスが立て続けに決まり、ゴール前1ヤードに迫る。仕上げはRB前田公。ゴール中央へ飛び込んで待望のTD。安藤のキックも決まって9-7と追い上げる。
しかし、そこからの攻撃が続かない。相手守備陣の的確な対応でパスコースがふさがれ、ランも止められる。あげくにファンブルで相手に攻撃権を渡し、勢い付いたオフェンスに決定的なTDを奪われる。
苦しい戦いは試合後に公表された両チームのスタッツを見れば理解できよう。ダウンの更新はわずかに7回。それもパスばかりでランによる更新は一度もない。獲得ヤードも相手の258ヤードに対してわが方は155ヤード。ランでは計13ヤードしか進めていない。逆に被インターセプトが2回、ファンブルが1回あるのだから、苦しいことこの上ない。わずかな光明といえば、QBサックが3回という、守備陣のがんばりを象徴する数字があるだけだ。
結果は18-7。点差以上に圧倒されたという印象の残る試合となった。
試合後、鳥内監督から「インセプやファンブルがあんなにあったら勝てんわな。捕れる球も落としてたし…」という言葉があったが、まさにその通り。せっかく反撃ムードが盛り上がってきたのに、落球やファンブルでそれに水を差す。耐え続けた守備陣も徐々に疲労が積み重なり、戦列を離れる選手が出てくる。そこを突くように相手がパワフルなラン攻撃でたたみかける。なかなか勝利への道筋の見えてこない試合だった。
悔しい敗戦だが、それでもシーズンが終わったわけではない。今週末から2週連続で行われる試合を勝ち抜けば、再度雌雄を決する機会が手に入る。その間、じっくりと次の試合に備えることのできる相手と比べると、苦しい状況であることは間違いないが、それでも名誉挽回のチャンスは残されている。
その試合を見据えて、どのようにチームの状態をアップしていくか。骨のきしむような今回の戦いで、その強さを実感した相手に、どう立ち向かうのか。どこに突破口を見つけるのか。タイトなスケジュールではあるが、時間はまだ残されている。気持ちを強く持って練習に励み、再度の戦いに挑み続けてもらいたい。
合い言葉は捲土重来。こんなところでくたばってたまるか、である。
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