石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(28)檄文
「2018FIGHTERSの挑戦に参戦お待ちしております」という檄文がファイターズのディレクター補佐、石割淳さんから届いた。
12月2日に迎える立命館大学との今季最終決戦を目前に、ファイターズOB会のメンバーらに宛てた、いわば決起文である。
この檄文を読む直前、僕もまた幕末に活躍した長州藩士であり、奇兵隊開闢(かいびゃく)総督でもある高杉晋作が元治元年(1864年)12月、拠点にしている長州・功山寺で開かれた奇兵隊幹部会議で長州藩の正規軍相手に決起を呼び掛けた時の言葉を思い浮かべていた。
「1里行けば1里の忠、2里行けば2里の忠。たとえ反逆者と呼ばれようと、それが僕の忠節じゃ」。「真(まこと)があるなら今月今宵。明けて正月たれも来る」。
先週の関西リーグ最終戦は、強敵・立命を相手に勝利を手にした。だからといって、その2週間後の戦いとなる西日本王座決定戦でも勝てるという保証はどこにもない。「絶対にやり返してやる」と牙をむき、全力で立ち向かってくる相手に一歩も引かず、持てる力を100%発揮して初めて、互角の戦いになると見るのが順当だろう。
実際、リーグ戦の勝者と敗者が逆の立場になった昨年は、リーグ戦で敗れたファイターズが決死の覚悟で戦い、なんとか代表決定戦で勝利することができた。1昨年は、リーグ戦で勝利したファイターズが代表決定戦でも前半、大きくリードしたが、後半は一気に追い上げられ、最後まで勝敗の行方が分からない激戦となった。
そういうライバルとの戦いである。チームが一丸となり、全員が気力、体力、技術のすべてを発揮して戦わなければ、展望は開けない。どんなに苦しい局面でも、全員が「1歩前に」という気持ちをぶつけなければ戦争にならないのだ。文字通り「1歩進めば1歩の忠、2歩進めば2歩の忠」である。
とりわけ大事なことがある。攻撃、守備ともに、どんなに苦しい時でも耐え忍び、局面を打開する道を見つけることだ。「真があるなら今月今宵。明けて正月、誰も来る」という言葉がその機微を表現している。
これを試合に置き換えて解釈すると「苦しい時に突破口を開いてこそ意味がある。点差が開き、試合の行方が見えてからなら、誰でも活躍できる」という意味であろう。
つまり、先日の立命戦でいえば、先制の独走TDを決めたRB山口の動きであり、彼のために進路を開いたOLの諸君、ブロッカーの役割を果たしたレシーバー陣のプレーがそれに相当する。あるいは絶妙のタイミングで正確なパスをレシーバー陣に投じたQB奥野、そのパスを見事にキャッチし、そのままTDにつなげたWR阿部と小田。奥野に代わって随時出場し、相手守備陣を幻惑したQB西野と光藤。
相手攻撃を素早い動きと激しいタックルで食い止め続けたディフェンス陣の動きもそれに該当するし、終始、的確なパントを蹴って陣地を回復し続けたキッキングチームの活躍も忘れてはならない。
彼らはすべて「真があるなら今月今宵」と参集したメンバーである。
その気持ちを12月2日に控えた決戦で、もう一段高められるかどうか。
そこに勝敗の分岐点がある。
先週末は、和歌山知事選などの関係で上ヶ原まで練習を見に行くことはできなかった。だからいま、チームがどんな状態にあるかは分からないし、報告もできない。けれども、遠く離れていても激励の言葉は送れる。
そう思って僕が思いついたのが高杉晋作の「真があるなら今月今宵」であり「1里歩めば1里の忠、2里歩めば2里の忠」という言葉である。
1歩でもいい、2歩でもよい。2018年度ファイターズのすべてをかけて進んでもらいたい。「真があるなら今月今宵」という覚悟で決戦に臨んでこそ、道は開ける。
12月2日に迎える立命館大学との今季最終決戦を目前に、ファイターズOB会のメンバーらに宛てた、いわば決起文である。
この檄文を読む直前、僕もまた幕末に活躍した長州藩士であり、奇兵隊開闢(かいびゃく)総督でもある高杉晋作が元治元年(1864年)12月、拠点にしている長州・功山寺で開かれた奇兵隊幹部会議で長州藩の正規軍相手に決起を呼び掛けた時の言葉を思い浮かべていた。
「1里行けば1里の忠、2里行けば2里の忠。たとえ反逆者と呼ばれようと、それが僕の忠節じゃ」。「真(まこと)があるなら今月今宵。明けて正月たれも来る」。
先週の関西リーグ最終戦は、強敵・立命を相手に勝利を手にした。だからといって、その2週間後の戦いとなる西日本王座決定戦でも勝てるという保証はどこにもない。「絶対にやり返してやる」と牙をむき、全力で立ち向かってくる相手に一歩も引かず、持てる力を100%発揮して初めて、互角の戦いになると見るのが順当だろう。
実際、リーグ戦の勝者と敗者が逆の立場になった昨年は、リーグ戦で敗れたファイターズが決死の覚悟で戦い、なんとか代表決定戦で勝利することができた。1昨年は、リーグ戦で勝利したファイターズが代表決定戦でも前半、大きくリードしたが、後半は一気に追い上げられ、最後まで勝敗の行方が分からない激戦となった。
そういうライバルとの戦いである。チームが一丸となり、全員が気力、体力、技術のすべてを発揮して戦わなければ、展望は開けない。どんなに苦しい局面でも、全員が「1歩前に」という気持ちをぶつけなければ戦争にならないのだ。文字通り「1歩進めば1歩の忠、2歩進めば2歩の忠」である。
とりわけ大事なことがある。攻撃、守備ともに、どんなに苦しい時でも耐え忍び、局面を打開する道を見つけることだ。「真があるなら今月今宵。明けて正月、誰も来る」という言葉がその機微を表現している。
これを試合に置き換えて解釈すると「苦しい時に突破口を開いてこそ意味がある。点差が開き、試合の行方が見えてからなら、誰でも活躍できる」という意味であろう。
つまり、先日の立命戦でいえば、先制の独走TDを決めたRB山口の動きであり、彼のために進路を開いたOLの諸君、ブロッカーの役割を果たしたレシーバー陣のプレーがそれに相当する。あるいは絶妙のタイミングで正確なパスをレシーバー陣に投じたQB奥野、そのパスを見事にキャッチし、そのままTDにつなげたWR阿部と小田。奥野に代わって随時出場し、相手守備陣を幻惑したQB西野と光藤。
相手攻撃を素早い動きと激しいタックルで食い止め続けたディフェンス陣の動きもそれに該当するし、終始、的確なパントを蹴って陣地を回復し続けたキッキングチームの活躍も忘れてはならない。
彼らはすべて「真があるなら今月今宵」と参集したメンバーである。
その気持ちを12月2日に控えた決戦で、もう一段高められるかどうか。
そこに勝敗の分岐点がある。
先週末は、和歌山知事選などの関係で上ヶ原まで練習を見に行くことはできなかった。だからいま、チームがどんな状態にあるかは分からないし、報告もできない。けれども、遠く離れていても激励の言葉は送れる。
そう思って僕が思いついたのが高杉晋作の「真があるなら今月今宵」であり「1里歩めば1里の忠、2里歩めば2里の忠」という言葉である。
1歩でもいい、2歩でもよい。2018年度ファイターズのすべてをかけて進んでもらいたい。「真があるなら今月今宵」という覚悟で決戦に臨んでこそ、道は開ける。
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