石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(20)報告を一つ
先日、自宅に送られてきた関西学院同窓会の「母校通信」と2018年の「ファイターズイヤーブック」に、それぞれ興味深い数字が紹介されていた。
母校通信では、副学長、小菅正伸副学長と小野宏総合企画部長(ファイターズのディレクターという方が分かりやすいかもしれない)との対談の中で紹介されている「2017年度有名企業400社の就職率」(サンデー毎日調べ)にある関西学院大28.4%という数字である。大学通信の調べでは「トップは一橋大の58.9%で、関学は
全国20位。関西では阪大、京大、同志社に次いで4位」とランクされている。
これだけでも、鼻が高いのに、ファイターズのイヤーブックでは、東洋経済が調べた2018年度「人気企業300社」に就職したファイターズの卒業生は71%に達していることが紹介されている。同じ調査ではないから、単純に比較することはできないが、大学全体では日本で一番の実績を誇る一橋大よりも、ファイターズの諸君の方が人気企業への就職率が高いというのだ。
すごい!と驚かれる方も多いだろう。もっと驚くのは、こうした実績を1年や2年ではなく、毎年のように積み重ねていることである。ここ数年はずっと人気企業300社への就職率は7割前後で推移しているというから、就活に四苦八苦している一般の学生にとっては驚愕(きょうがく)という言葉しかないだろう。
今季、練習と試合の合間を縫って就活を続けてきた4年生の実績(一部、留年中の5年生を含む)の実績も素晴らしい。僕が知るところでは三井物産、東京海上日動火災、三井住友銀行、富士通にそれぞれ3人。三菱UFJ銀行、野村證券、ファーストリテーリング、ニトリに各2人。ほかにも三井住友海上、旭化成ホームズ、帝人フロンティア、三菱電機、富士フイルム、コクヨ、ソフトバンク、池田泉州銀行、キャノン、サッポロビール、第一三共、日本航空、本田技研工業、日立製作所、長瀬産業、住友電工、博報堂DYデジタル、伊藤忠、日本生命、川重商事、新日鐵住金、メタルワン、第一生命、リンクアンドモチベーションなどの人気企業から続々と内定をもらっている。
来春卒業予定の4年生は45人。うち10余人は留年し、来年の就活に挑むという。その結果、「来春に卒業を予定している全員が内定をもらっています」というから、さすがファイターズというしかない。
驚くのは、こうした実績をたたき出したのが有名選手だけでなく、マネジャーやアナライジングスタッフ、トレーナー、中高の学生コーチまでを含めた部員全員であること。選手もスタッフも関係なく、全員がファイターズの構成員として練習に励み、自覚を持って就職活動に取り組んできた成果であることが誇らしい。
一部のスター選手だけに光が当たるのではない。それぞれの部署に分かれ、責任を持ってその任務を果たす中で人間的に成長し、その姿を企業の採用担当から評価されたからこその実績である。ここにファイターズの真価がある。
もちろん、ファイターズというチームに対する高い評価が大きな力になっていることは間違いない。人気企業に勤めている先輩たちの活躍振りを通じて、ファイターズという組織の底力が評価されたという側面もあるだろうし、後輩のために何かと相談に乗って下さった先輩諸氏のご協力も大きかったに違いない。
僕も今春、新4年生が就活の準備を始める春休みに、就職希望者全員を対象に「チャーミングなエントリーシートの書き方」というテーマで、勉強会の講師を担当した。希望する部員には、エントリーシートの作成について具体的な指導や添削作業もした。
その昔、朝日新聞社で入社試験の小論文の採点委員や面接担当を何年も続けた経験と、この10数年、関西学院大学で非常勤講師を務め、「文章表現論」を担当している経験を生かして、懇切丁寧に「内定に直結するエントリーシート」の作成に協力したのである。手間のかかる仕事だが、多少は時間にゆとりのある年寄りならではの仕事でもある。その結果、僕が相談に乗った全員が希望する企業から内定を勝ち取り、僕自身も大きな喜びを手にした。
そうした時間を通じて、ファイターズの諸君が練習や試合だけでなく、就職活動にも懸命に努力する場面を何度も見せてもらった。これもまた学生スポーツ、課外活動の大事な姿であろう。
目の前の部活だけに集中するのではない。学業にも、就職活動にも全力で取り組む。今日、一つの山の頂きを極めたら、明日登る山の頂上を見定め、また一歩ずつ歩を進めていく。そうした努力を重ねることで目標の「日本1」という頂上が見えてくる。
今季、残されて時間は短い。その頂上を見定め、さらなる努力、精進を期待する。
母校通信では、副学長、小菅正伸副学長と小野宏総合企画部長(ファイターズのディレクターという方が分かりやすいかもしれない)との対談の中で紹介されている「2017年度有名企業400社の就職率」(サンデー毎日調べ)にある関西学院大28.4%という数字である。大学通信の調べでは「トップは一橋大の58.9%で、関学は
全国20位。関西では阪大、京大、同志社に次いで4位」とランクされている。
これだけでも、鼻が高いのに、ファイターズのイヤーブックでは、東洋経済が調べた2018年度「人気企業300社」に就職したファイターズの卒業生は71%に達していることが紹介されている。同じ調査ではないから、単純に比較することはできないが、大学全体では日本で一番の実績を誇る一橋大よりも、ファイターズの諸君の方が人気企業への就職率が高いというのだ。
すごい!と驚かれる方も多いだろう。もっと驚くのは、こうした実績を1年や2年ではなく、毎年のように積み重ねていることである。ここ数年はずっと人気企業300社への就職率は7割前後で推移しているというから、就活に四苦八苦している一般の学生にとっては驚愕(きょうがく)という言葉しかないだろう。
今季、練習と試合の合間を縫って就活を続けてきた4年生の実績(一部、留年中の5年生を含む)の実績も素晴らしい。僕が知るところでは三井物産、東京海上日動火災、三井住友銀行、富士通にそれぞれ3人。三菱UFJ銀行、野村證券、ファーストリテーリング、ニトリに各2人。ほかにも三井住友海上、旭化成ホームズ、帝人フロンティア、三菱電機、富士フイルム、コクヨ、ソフトバンク、池田泉州銀行、キャノン、サッポロビール、第一三共、日本航空、本田技研工業、日立製作所、長瀬産業、住友電工、博報堂DYデジタル、伊藤忠、日本生命、川重商事、新日鐵住金、メタルワン、第一生命、リンクアンドモチベーションなどの人気企業から続々と内定をもらっている。
来春卒業予定の4年生は45人。うち10余人は留年し、来年の就活に挑むという。その結果、「来春に卒業を予定している全員が内定をもらっています」というから、さすがファイターズというしかない。
驚くのは、こうした実績をたたき出したのが有名選手だけでなく、マネジャーやアナライジングスタッフ、トレーナー、中高の学生コーチまでを含めた部員全員であること。選手もスタッフも関係なく、全員がファイターズの構成員として練習に励み、自覚を持って就職活動に取り組んできた成果であることが誇らしい。
一部のスター選手だけに光が当たるのではない。それぞれの部署に分かれ、責任を持ってその任務を果たす中で人間的に成長し、その姿を企業の採用担当から評価されたからこその実績である。ここにファイターズの真価がある。
もちろん、ファイターズというチームに対する高い評価が大きな力になっていることは間違いない。人気企業に勤めている先輩たちの活躍振りを通じて、ファイターズという組織の底力が評価されたという側面もあるだろうし、後輩のために何かと相談に乗って下さった先輩諸氏のご協力も大きかったに違いない。
僕も今春、新4年生が就活の準備を始める春休みに、就職希望者全員を対象に「チャーミングなエントリーシートの書き方」というテーマで、勉強会の講師を担当した。希望する部員には、エントリーシートの作成について具体的な指導や添削作業もした。
その昔、朝日新聞社で入社試験の小論文の採点委員や面接担当を何年も続けた経験と、この10数年、関西学院大学で非常勤講師を務め、「文章表現論」を担当している経験を生かして、懇切丁寧に「内定に直結するエントリーシート」の作成に協力したのである。手間のかかる仕事だが、多少は時間にゆとりのある年寄りならではの仕事でもある。その結果、僕が相談に乗った全員が希望する企業から内定を勝ち取り、僕自身も大きな喜びを手にした。
そうした時間を通じて、ファイターズの諸君が練習や試合だけでなく、就職活動にも懸命に努力する場面を何度も見せてもらった。これもまた学生スポーツ、課外活動の大事な姿であろう。
目の前の部活だけに集中するのではない。学業にも、就職活動にも全力で取り組む。今日、一つの山の頂きを極めたら、明日登る山の頂上を見定め、また一歩ずつ歩を進めていく。そうした努力を重ねることで目標の「日本1」という頂上が見えてくる。
今季、残されて時間は短い。その頂上を見定め、さらなる努力、精進を期待する。
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