石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(2)まずは紅白戦
9日の日曜日はファイターズ・デー。桜が満開の大学構内を抜け、上ヶ原の第3フィールドに足を運ぶと、朝早くから選手がウオーミングアップに余念がない。午前10時から大学の公開練習と紅白戦、午後にはシニアファイターズや小学生たちも参加してフラッグフットボールの試合があるとあって、幅広い年代のファンが詰めかけている。
僕はあいにく、郷里の小学校の同窓生が集まる会とバッティングしたため、公開練習と紅白試合を観戦しただけ。早々に引き上げてしまったが、それでも見るべきものは見せてもらった。一つは、昨年の4年生が卒業した後を担う選手たちの成長具合。もう一つは、昨シーズンはほとんど出場機会がなかった下級生たちの中からどんな選手が頭角を表しそうかという現状。
紅白試合といっても、例年と違って、チームの編成はオフェンスとディフェンスに分けただけ。試合時間も45分程度と短い。そのうえ、無意味なけがを防ぐため、ちょっとでもコンタクトがあると即座に笛を鳴らすルールで進められたから、ライバル校相手との試合とは、雰囲気がまるで異なる。
それでも、出場した選手たちは真剣だ。その一部始終がビデオに収められているし、監督やコーチたちも、新戦力の動向を懸命に見つめている。昨年は、スカウトチームに甘んじた選手たちにとっては成長ぶりをアピールする絶好の機会だし、立命や早稲田、そして富士通を相手にした厳しい試合に、たとえ交代要員であっても出場経験のある選手にとっては、その経験をどのように生かしているかが問われる試合である。
なにしろ、先発メンバーをみても、昨年の最後の3試合に先発か主な交代メンバーとして出場した選手はほとんどいない。攻撃ではTEの三木、WRの前田、亀山、松井、守備ではDLの柴田。ほかはすべて、交代要員としてちょこっと試合に出ていればいい方。大半は、全く未知数な選手であり、顔と名前が一致しな選手も少なくなかった。逆にいうと、そういうメンバーが今季、1月から3月までの厳しい鍛錬を経てどれだけ成長したか、それを確認するには格好の舞台だった。
オフェンスラインは左から松永、森田、光岡、西村、池田。昨秋は全員が交代要員だっただけに、これでQBの光藤を守りきれるかどうかが第一の見どころ。二つ目は、昨年の秋はけがで出場機会のなかった光藤がどこまで動けるか、WRやRBとの呼吸は合うかどうか。そして三つ目が昨季、最後の厳しい試合ではほとんど出場経験のなかった守備陣から、どんな有望株が出てくるか。この3点にしぼって、メンバー表片手に、背番号と名前を確認しながら、懸命に見守った。
結論からいえば「晴れ時々曇り、ところによりにわか雨」という感想だった。
晴れは、昨年の1年間を棒に振った光藤に使えるめどがついたこと。とりわけパスプレーの安定度が目についた。それを引き出したWR小田の活躍も特筆される。出場機会は限られていたが、光藤からゴールライン近くに投じられたロングパスをことごとくキャッチして、3本のTDに結び付けた。さすがは甲子園の舞台を踏んだ高校球児。野球で鍛えた俊敏な動きはフットボールでも通用するところを見せつけた。同じ3年生WRでは、長身の松井が昨季から活躍しており、今年はこの二人が4年生の前田、亀山とともにファンをわかせてくれそうだ。
守備では、これも昨季、交代要員としてシーズン後半から出場機会のあったDL今井、DB吉野の鋭いラッシュが目を引いた。逆に、光藤からWR陣へのパスを次々と通された守備陣には課題が多い。ランプレーで相手守備陣を押し切れなかったOL陣とともに、まだまだレベルアップが必要なことが明らかになった。
さて、今度の週末、土曜日には早くもシーズンの初戦が予定されている。相手は慶応。近年、めきめきと力を付けているチームであり、2年前に戦った時も、素晴らしい試合を見せてくれた。そういうチームを相手に、2月から3月にかけては、体幹訓練や筋力トレーニングが中心で、ほとんど試合に向けた練習をしてこなかったファイターズがどんな戦いを見せてくれるのか。この日の紅白戦には登場しなかったメンバーも含めたチームの骨格が見えてくるのか。見どころは多い。今度は丁寧にメモを取りながら観戦しよう。
僕はあいにく、郷里の小学校の同窓生が集まる会とバッティングしたため、公開練習と紅白試合を観戦しただけ。早々に引き上げてしまったが、それでも見るべきものは見せてもらった。一つは、昨年の4年生が卒業した後を担う選手たちの成長具合。もう一つは、昨シーズンはほとんど出場機会がなかった下級生たちの中からどんな選手が頭角を表しそうかという現状。
紅白試合といっても、例年と違って、チームの編成はオフェンスとディフェンスに分けただけ。試合時間も45分程度と短い。そのうえ、無意味なけがを防ぐため、ちょっとでもコンタクトがあると即座に笛を鳴らすルールで進められたから、ライバル校相手との試合とは、雰囲気がまるで異なる。
それでも、出場した選手たちは真剣だ。その一部始終がビデオに収められているし、監督やコーチたちも、新戦力の動向を懸命に見つめている。昨年は、スカウトチームに甘んじた選手たちにとっては成長ぶりをアピールする絶好の機会だし、立命や早稲田、そして富士通を相手にした厳しい試合に、たとえ交代要員であっても出場経験のある選手にとっては、その経験をどのように生かしているかが問われる試合である。
なにしろ、先発メンバーをみても、昨年の最後の3試合に先発か主な交代メンバーとして出場した選手はほとんどいない。攻撃ではTEの三木、WRの前田、亀山、松井、守備ではDLの柴田。ほかはすべて、交代要員としてちょこっと試合に出ていればいい方。大半は、全く未知数な選手であり、顔と名前が一致しな選手も少なくなかった。逆にいうと、そういうメンバーが今季、1月から3月までの厳しい鍛錬を経てどれだけ成長したか、それを確認するには格好の舞台だった。
オフェンスラインは左から松永、森田、光岡、西村、池田。昨秋は全員が交代要員だっただけに、これでQBの光藤を守りきれるかどうかが第一の見どころ。二つ目は、昨年の秋はけがで出場機会のなかった光藤がどこまで動けるか、WRやRBとの呼吸は合うかどうか。そして三つ目が昨季、最後の厳しい試合ではほとんど出場経験のなかった守備陣から、どんな有望株が出てくるか。この3点にしぼって、メンバー表片手に、背番号と名前を確認しながら、懸命に見守った。
結論からいえば「晴れ時々曇り、ところによりにわか雨」という感想だった。
晴れは、昨年の1年間を棒に振った光藤に使えるめどがついたこと。とりわけパスプレーの安定度が目についた。それを引き出したWR小田の活躍も特筆される。出場機会は限られていたが、光藤からゴールライン近くに投じられたロングパスをことごとくキャッチして、3本のTDに結び付けた。さすがは甲子園の舞台を踏んだ高校球児。野球で鍛えた俊敏な動きはフットボールでも通用するところを見せつけた。同じ3年生WRでは、長身の松井が昨季から活躍しており、今年はこの二人が4年生の前田、亀山とともにファンをわかせてくれそうだ。
守備では、これも昨季、交代要員としてシーズン後半から出場機会のあったDL今井、DB吉野の鋭いラッシュが目を引いた。逆に、光藤からWR陣へのパスを次々と通された守備陣には課題が多い。ランプレーで相手守備陣を押し切れなかったOL陣とともに、まだまだレベルアップが必要なことが明らかになった。
さて、今度の週末、土曜日には早くもシーズンの初戦が予定されている。相手は慶応。近年、めきめきと力を付けているチームであり、2年前に戦った時も、素晴らしい試合を見せてくれた。そういうチームを相手に、2月から3月にかけては、体幹訓練や筋力トレーニングが中心で、ほとんど試合に向けた練習をしてこなかったファイターズがどんな戦いを見せてくれるのか。この日の紅白戦には登場しなかったメンバーも含めたチームの骨格が見えてくるのか。見どころは多い。今度は丁寧にメモを取りながら観戦しよう。
この記事は外部ブログを参照しています。すべて見るには下のリンクをクリックしてください。
記事タイトル:(2)まずは紅白戦
(ブログタイトル:石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」)
アーカイブ
- 2024年11月(2)
- 2024年10月(3)
- 2024年9月(3)
- 2024年6月(2)
- 2024年5月(3)
- 2024年4月(1)
- 2023年12月(3)
- 2023年11月(3)
- 2023年10月(4)
- 2023年9月(3)
- 2023年7月(1)
- 2023年6月(1)
- 2023年5月(3)
- 2023年4月(1)
- 2022年12月(2)
- 2022年11月(3)
- 2022年10月(3)
- 2022年9月(2)
- 2022年8月(1)
- 2022年7月(1)
- 2022年6月(2)
- 2022年5月(3)
- 2021年12月(3)
- 2021年11月(3)
- 2021年10月(4)
- 2021年1月(2)
- 2020年12月(3)
- 2020年11月(4)
- 2020年10月(4)
- 2020年9月(2)
- 2020年1月(3)
- 2019年12月(3)
- 2019年11月(3)
- 2019年10月(5)
- 2019年9月(4)
- 2019年8月(3)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(4)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(4)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(4)
- 2018年11月(4)
- 2018年10月(5)
- 2018年9月(3)
- 2018年8月(4)
- 2018年7月(2)
- 2018年6月(3)
- 2018年5月(4)
- 2018年4月(3)
- 2017年12月(3)
- 2017年11月(4)
- 2017年10月(3)
- 2017年9月(4)
- 2017年8月(4)
- 2017年7月(3)
- 2017年6月(4)
- 2017年5月(4)
- 2017年4月(4)
- 2017年1月(2)
- 2016年12月(4)
- 2016年11月(5)
- 2016年10月(3)
- 2016年9月(4)
- 2016年8月(4)
- 2016年7月(3)
- 2016年6月(2)
- 2016年5月(4)
- 2016年4月(4)
- 2015年12月(1)
- 2015年11月(4)
- 2015年10月(3)
- 2015年9月(5)
- 2015年8月(3)
- 2015年7月(5)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(2)
- 2015年4月(3)
- 2015年3月(3)
- 2015年1月(2)
- 2014年12月(4)
- 2014年11月(4)
- 2014年10月(4)
- 2014年9月(4)
- 2014年8月(4)
- 2014年7月(4)
- 2014年6月(4)
- 2014年5月(5)
- 2014年4月(4)
- 2014年1月(1)
- 2013年12月(5)
- 2013年11月(4)
- 2013年10月(5)
- 2013年9月(3)
- 2013年8月(3)
- 2013年7月(4)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(5)
- 2013年4月(4)
- 2013年1月(1)
- 2012年12月(4)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(4)
- 2012年9月(5)
- 2012年8月(4)
- 2012年7月(3)
- 2012年6月(3)
- 2012年5月(5)
- 2012年4月(4)
- 2012年1月(1)
- 2011年12月(5)
- 2011年11月(5)
- 2011年10月(4)
- 2011年9月(4)
- 2011年8月(3)
- 2011年7月(3)
- 2011年6月(4)
- 2011年5月(5)
- 2011年4月(4)
- 2010年12月(1)
- 2010年11月(4)
- 2010年10月(4)
- 2010年9月(4)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(2)
- 2010年6月(5)
- 2010年5月(3)
- 2010年4月(4)
- 2010年3月(1)
- 2009年11月(4)
- 2009年10月(4)
- 2009年9月(3)
- 2009年8月(4)
- 2009年7月(3)
- 2009年6月(4)
- 2009年5月(3)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(1)
- 2008年12月(1)
- 2008年11月(4)
- 2008年10月(3)
- 2008年9月(5)
- 2008年8月(2)
- 2008年4月(1)