石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(3)ワクワクする季節
先週末は金、土、日曜の3日間、連続して上ケ原に通った。仕事、散策、そしてファイターズの練習が目当てである。
土曜日。幼稚園に通う孫と日本庭園のベンチに座って昼飯を食っていると、一瞬の風にあおられて、桜の花びらが無数に舞い降りてきた。それはもう、誰もが吹雪と形容するしかない光景。孫も「ワーッ、雪みたい」といいいながら、花びらを受け止めようと両手を開いて走り回る。まるで、雪の降るのを喜んで駆け回る犬ころみたいだ。
上ケ原は、まさに春爛漫(らんまん)。構内のあちこちにあるクスノキやケヤキも鮮やかな新芽を出している。中央芝生の周囲にある植え込みは、日に日に緑を増しているし、正面玄関右手の駐車場にあるユリノキの新芽はことに美しい。芽吹いたばかりの淡い緑が、空に向かってそびえる大木を彩っている。第3フィールドでは、平郡君の記念碑の背後にあるヤマモモの木がすっかり大きくなり、記念碑を覆い尽くすように枝を伸ばしている。
記念碑に刻まれた碑文に目を通した後、グラウンドに目をやると、そこにも春がある。大勢のフレッシュマンがグラウンドのあちこちで、練習を始めているのだ。
今春入部した1年生は13日現在で53人。いま、このホームページに名前が記されているのは38人だが、その後も志願者が相次ぎ、これだけの人数に上ったそうだ。大変な数である。その中にはスポーツ推薦やAO入試で入った13人がいるし、高校では野球やラグビーの選手として活躍していたアスリートが何人もいる。体力と素質に恵まれた、文字通り期待の星である。
鳥内監督の口を借りれば「いいですよ、今年の1年は。即戦力になりそうな子もいるし、すぐに上の練習に参加させたい子もいます。未経験者にも、期待できる子が何人もいますよ。これだけいい子が入ってくれたら、チーム内の競争も激しくなるでしょう」。
QBとWRの練習につきあっておられた武田建先生も同様の感想を口にされる。「いいですね、今年の新人は。レシーバーにも、すぐに使えそうな子が何人もいますよ」
確かに、体のデカい子が多い。185センチ級が何人もいるし、体重も100キロを越す選手がいる。ただデカいだけでなく、運動能力も高そうだ。僕のような素人が見ても、ワクワクする選手が何人もいる。
例えば、練習の仕上げに20分間、グラウンドの外周を走る取り組み。それぞれのペースで淡々と走っているのだが、手を抜いている選手は一人もいない。中には、軽々と周回遅れの選手を抜き去り、さらにスピードを上げる選手もいる。監督に名前を聞けば、僕の高校の後輩だという。よけいにうれしくなってくる。
気持ちもしっかりしているようだ。先日、東京地区からきた5人の新人と話をする機会があったが、それぞれに期待通りの人材だとの印象を受けた。スポーツ推薦で入ってきた関西地区の新人は全員、昨年夏に小論文の勉強会を続けてきたから、その性格についても、ある程度は分かっている。この面々も元気な子ばかりだから心配はない。
桜は散っても、上ケ原では新しい芽がいっせいに芽吹いてきたのである。この芽をどう伸ばすか。
その点でも、今年は心配なさそうだ。新しくフルタイムのコーチとして大村和輝氏が就任され、連日グラウンドに降りて指導をされているから、昨年までとは様子が違う。もちろん、チーム全体を見るのが仕事で、新人の練習にまで目を配るゆとりはないだろうが、それでも、練習の空気が変わり、チームの雰囲気が変わってきたから、それが1年生の取り組みにも、いい影響を及ぼすことは間違いない。
期待の持てる春。ワクワクする春である。今度の土曜日、日体大との開幕戦が待ち遠しい。
土曜日。幼稚園に通う孫と日本庭園のベンチに座って昼飯を食っていると、一瞬の風にあおられて、桜の花びらが無数に舞い降りてきた。それはもう、誰もが吹雪と形容するしかない光景。孫も「ワーッ、雪みたい」といいいながら、花びらを受け止めようと両手を開いて走り回る。まるで、雪の降るのを喜んで駆け回る犬ころみたいだ。
上ケ原は、まさに春爛漫(らんまん)。構内のあちこちにあるクスノキやケヤキも鮮やかな新芽を出している。中央芝生の周囲にある植え込みは、日に日に緑を増しているし、正面玄関右手の駐車場にあるユリノキの新芽はことに美しい。芽吹いたばかりの淡い緑が、空に向かってそびえる大木を彩っている。第3フィールドでは、平郡君の記念碑の背後にあるヤマモモの木がすっかり大きくなり、記念碑を覆い尽くすように枝を伸ばしている。
記念碑に刻まれた碑文に目を通した後、グラウンドに目をやると、そこにも春がある。大勢のフレッシュマンがグラウンドのあちこちで、練習を始めているのだ。
今春入部した1年生は13日現在で53人。いま、このホームページに名前が記されているのは38人だが、その後も志願者が相次ぎ、これだけの人数に上ったそうだ。大変な数である。その中にはスポーツ推薦やAO入試で入った13人がいるし、高校では野球やラグビーの選手として活躍していたアスリートが何人もいる。体力と素質に恵まれた、文字通り期待の星である。
鳥内監督の口を借りれば「いいですよ、今年の1年は。即戦力になりそうな子もいるし、すぐに上の練習に参加させたい子もいます。未経験者にも、期待できる子が何人もいますよ。これだけいい子が入ってくれたら、チーム内の競争も激しくなるでしょう」。
QBとWRの練習につきあっておられた武田建先生も同様の感想を口にされる。「いいですね、今年の新人は。レシーバーにも、すぐに使えそうな子が何人もいますよ」
確かに、体のデカい子が多い。185センチ級が何人もいるし、体重も100キロを越す選手がいる。ただデカいだけでなく、運動能力も高そうだ。僕のような素人が見ても、ワクワクする選手が何人もいる。
例えば、練習の仕上げに20分間、グラウンドの外周を走る取り組み。それぞれのペースで淡々と走っているのだが、手を抜いている選手は一人もいない。中には、軽々と周回遅れの選手を抜き去り、さらにスピードを上げる選手もいる。監督に名前を聞けば、僕の高校の後輩だという。よけいにうれしくなってくる。
気持ちもしっかりしているようだ。先日、東京地区からきた5人の新人と話をする機会があったが、それぞれに期待通りの人材だとの印象を受けた。スポーツ推薦で入ってきた関西地区の新人は全員、昨年夏に小論文の勉強会を続けてきたから、その性格についても、ある程度は分かっている。この面々も元気な子ばかりだから心配はない。
桜は散っても、上ケ原では新しい芽がいっせいに芽吹いてきたのである。この芽をどう伸ばすか。
その点でも、今年は心配なさそうだ。新しくフルタイムのコーチとして大村和輝氏が就任され、連日グラウンドに降りて指導をされているから、昨年までとは様子が違う。もちろん、チーム全体を見るのが仕事で、新人の練習にまで目を配るゆとりはないだろうが、それでも、練習の空気が変わり、チームの雰囲気が変わってきたから、それが1年生の取り組みにも、いい影響を及ぼすことは間違いない。
期待の持てる春。ワクワクする春である。今度の土曜日、日体大との開幕戦が待ち遠しい。
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