石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(5)JV戦の話をしよう
少々遅くなったが、18日に上ケ原の第3フィールドで行われたJV戦の話をしたい。
相手は追手門大学。関西学生リーグの2部に所属する伝統校だ。対するファイターズの主力は2年生。それに、普段、あまり試合に出る機会に恵まれない4年生や3年生がスタメンに名前を連ねている。いわば1軍半から2軍のメンバーといってよいだろう。
いつもの年なら、6月の後半になってから組まれるJV戦だが、今年は控え選手に少しでも試合経験を積ませたいということで、まだ甲山おろしが冷たい4月早々からスケジュールに組み込まれた。
立ち上がり、レシーブを選択したファイターズに対し、追手門はいきなりオンサイドキック。これが成功して攻撃権を奪取する。浮足立つところだが、ここはDL岸、LB高吹、LB望月の2年生トリオが落ち着いて相手のランを封じ、すぐに攻撃権を奪い返す。
自陣46ヤードから始まったファイターズ最初の攻撃。QB糟谷(3年)からハンドオフされたボールを抱えたRB林(3年)が中央を抜けて一気にTD。前日の日体大戦で、兄貴分のQB加藤、RB松岡のコンビが第1プレーでTDを決めたのと同様、一発TDで試合の主導権を握った。
ところが二の矢が続かない。もたもたした攻撃をしている内に相手がパスとランを織り交ぜた多彩な攻撃でファイターズ守備陣を揺さぶる。1Q8分30秒、相手QBのキーププレーで同点に追いつかれる。
この日の試合は1Q10分だったので、あっという間に第2Q。しばらく一進一退が続いたが、ようやく終了間際にファイターズの攻撃が決まる。相手陣41ヤードから始まったこのシリーズは、糟谷のスクランブル、TEの金本(2年)、榎(2年)、WR大森(3年)へのパスなどでなんとか敵陣に迫り、仕上げは糟谷から榎への5ヤードTDパス。前半を14-7で折り返した。
ところが、後半になると、またまた攻撃が進まない。QBは遠藤(2年)に交代したが、パスがつながらず、ラン攻撃も進まない。逆に3Qに相手の反撃を許し、同点に追いつかれる。
第4Q終盤、ようやく遠藤から大森へのTDパスがヒットしてリードを奪ったが、相手も懸命に反撃。得意のランプレーで陣地を稼ぎ、急所でパスを決めて、残り8秒で3本目のTD。最後は2点を狙ったパスプレーを決め、ついに逆転。ファイターズは22-21で敗れた。
JV戦とはいえ、ファイターズを相手に多彩なプレーを繰り出し、必死に攻め込んだ追手門。その懸命さに浮足立ち、立ちすくんでしまったように見えたファイターズの面々。最後は、試合経験の差が勝負を分けたように見えた。
新しいシーズンがスタートしてまもない時期の試合。まだユニットの練習も、複雑な作戦もないままに、試合経験の少ないメンバーで戦ったという条件はあったが、それでも、いつもの年のJV戦に比べ、いささか物足りない内容だった。
一つは、今春入部した1年生が一人も登場しなかったこと。もう一つは、日ごろから試合に出ている主力選手と2枚目以下の選手の間に、大きな断層があることを見せつけられたからである。
思い返せば3年前。現在の4年生が初めて団体で出場した神戸学院大とのJV戦は見ごたえがあった。2007年7月9日のこのコラムに「宝の山の物語」と題して紹介しているので、それを読み返しながら、記憶をたどりたい。
最初に目に付いたのはWR松原。50ヤードのTDパスを決めて、噂通りの才能を見せてくれた。RB久司は、ボールを持つたびに独走TD。32ヤード、14ヤード、56ヤードをぶっちぎりで走り切り、格の違いを見せつけた。DB善元は逆サイドから一気に走り込んでボールキャリアにタックル。その強い当たりを見て、必ず守りの主力になると確信した。
守りではラインの平澤と村上の素早い動きが出色だった。相手を完封するその動きを見て「これで4年間、DLは安泰」と気分をよくしたことを覚えている。
そして、なんといってもすごかったのはQB加藤。12回パスを投げて9回成功、222ヤードを獲得している。そのうち3本はTDパスだった。
こうした面々が順調に育って、いまはチームの大黒柱。そういう意味では、たとえJV戦であっても、その試合内容、選手の活躍ぶりはチームの将来に直結するといってよいだろう。
振り返って今年のJV戦。将来を担って立つと確信させてくれる選手が少々、少なかったような気がする。6月に再度、JV戦が組まれているので、次の機会には、大勢の1年生にも登場してもらい、ワクワクする選手を捜してみたい。
相手は追手門大学。関西学生リーグの2部に所属する伝統校だ。対するファイターズの主力は2年生。それに、普段、あまり試合に出る機会に恵まれない4年生や3年生がスタメンに名前を連ねている。いわば1軍半から2軍のメンバーといってよいだろう。
いつもの年なら、6月の後半になってから組まれるJV戦だが、今年は控え選手に少しでも試合経験を積ませたいということで、まだ甲山おろしが冷たい4月早々からスケジュールに組み込まれた。
立ち上がり、レシーブを選択したファイターズに対し、追手門はいきなりオンサイドキック。これが成功して攻撃権を奪取する。浮足立つところだが、ここはDL岸、LB高吹、LB望月の2年生トリオが落ち着いて相手のランを封じ、すぐに攻撃権を奪い返す。
自陣46ヤードから始まったファイターズ最初の攻撃。QB糟谷(3年)からハンドオフされたボールを抱えたRB林(3年)が中央を抜けて一気にTD。前日の日体大戦で、兄貴分のQB加藤、RB松岡のコンビが第1プレーでTDを決めたのと同様、一発TDで試合の主導権を握った。
ところが二の矢が続かない。もたもたした攻撃をしている内に相手がパスとランを織り交ぜた多彩な攻撃でファイターズ守備陣を揺さぶる。1Q8分30秒、相手QBのキーププレーで同点に追いつかれる。
この日の試合は1Q10分だったので、あっという間に第2Q。しばらく一進一退が続いたが、ようやく終了間際にファイターズの攻撃が決まる。相手陣41ヤードから始まったこのシリーズは、糟谷のスクランブル、TEの金本(2年)、榎(2年)、WR大森(3年)へのパスなどでなんとか敵陣に迫り、仕上げは糟谷から榎への5ヤードTDパス。前半を14-7で折り返した。
ところが、後半になると、またまた攻撃が進まない。QBは遠藤(2年)に交代したが、パスがつながらず、ラン攻撃も進まない。逆に3Qに相手の反撃を許し、同点に追いつかれる。
第4Q終盤、ようやく遠藤から大森へのTDパスがヒットしてリードを奪ったが、相手も懸命に反撃。得意のランプレーで陣地を稼ぎ、急所でパスを決めて、残り8秒で3本目のTD。最後は2点を狙ったパスプレーを決め、ついに逆転。ファイターズは22-21で敗れた。
JV戦とはいえ、ファイターズを相手に多彩なプレーを繰り出し、必死に攻め込んだ追手門。その懸命さに浮足立ち、立ちすくんでしまったように見えたファイターズの面々。最後は、試合経験の差が勝負を分けたように見えた。
新しいシーズンがスタートしてまもない時期の試合。まだユニットの練習も、複雑な作戦もないままに、試合経験の少ないメンバーで戦ったという条件はあったが、それでも、いつもの年のJV戦に比べ、いささか物足りない内容だった。
一つは、今春入部した1年生が一人も登場しなかったこと。もう一つは、日ごろから試合に出ている主力選手と2枚目以下の選手の間に、大きな断層があることを見せつけられたからである。
思い返せば3年前。現在の4年生が初めて団体で出場した神戸学院大とのJV戦は見ごたえがあった。2007年7月9日のこのコラムに「宝の山の物語」と題して紹介しているので、それを読み返しながら、記憶をたどりたい。
最初に目に付いたのはWR松原。50ヤードのTDパスを決めて、噂通りの才能を見せてくれた。RB久司は、ボールを持つたびに独走TD。32ヤード、14ヤード、56ヤードをぶっちぎりで走り切り、格の違いを見せつけた。DB善元は逆サイドから一気に走り込んでボールキャリアにタックル。その強い当たりを見て、必ず守りの主力になると確信した。
守りではラインの平澤と村上の素早い動きが出色だった。相手を完封するその動きを見て「これで4年間、DLは安泰」と気分をよくしたことを覚えている。
そして、なんといってもすごかったのはQB加藤。12回パスを投げて9回成功、222ヤードを獲得している。そのうち3本はTDパスだった。
こうした面々が順調に育って、いまはチームの大黒柱。そういう意味では、たとえJV戦であっても、その試合内容、選手の活躍ぶりはチームの将来に直結するといってよいだろう。
振り返って今年のJV戦。将来を担って立つと確信させてくれる選手が少々、少なかったような気がする。6月に再度、JV戦が組まれているので、次の機会には、大勢の1年生にも登場してもらい、ワクワクする選手を捜してみたい。
この記事は外部ブログを参照しています。すべて見るには下のリンクをクリックしてください。
記事タイトル:(5)JV戦の話をしよう
(ブログタイトル:石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」)
アーカイブ
- 2024年11月(2)
- 2024年10月(3)
- 2024年9月(3)
- 2024年6月(2)
- 2024年5月(3)
- 2024年4月(1)
- 2023年12月(3)
- 2023年11月(3)
- 2023年10月(4)
- 2023年9月(3)
- 2023年7月(1)
- 2023年6月(1)
- 2023年5月(3)
- 2023年4月(1)
- 2022年12月(2)
- 2022年11月(3)
- 2022年10月(3)
- 2022年9月(2)
- 2022年8月(1)
- 2022年7月(1)
- 2022年6月(2)
- 2022年5月(3)
- 2021年12月(3)
- 2021年11月(3)
- 2021年10月(4)
- 2021年1月(2)
- 2020年12月(3)
- 2020年11月(4)
- 2020年10月(4)
- 2020年9月(2)
- 2020年1月(3)
- 2019年12月(3)
- 2019年11月(3)
- 2019年10月(5)
- 2019年9月(4)
- 2019年8月(3)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(4)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(4)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(4)
- 2018年11月(4)
- 2018年10月(5)
- 2018年9月(3)
- 2018年8月(4)
- 2018年7月(2)
- 2018年6月(3)
- 2018年5月(4)
- 2018年4月(3)
- 2017年12月(3)
- 2017年11月(4)
- 2017年10月(3)
- 2017年9月(4)
- 2017年8月(4)
- 2017年7月(3)
- 2017年6月(4)
- 2017年5月(4)
- 2017年4月(4)
- 2017年1月(2)
- 2016年12月(4)
- 2016年11月(5)
- 2016年10月(3)
- 2016年9月(4)
- 2016年8月(4)
- 2016年7月(3)
- 2016年6月(2)
- 2016年5月(4)
- 2016年4月(4)
- 2015年12月(1)
- 2015年11月(4)
- 2015年10月(3)
- 2015年9月(5)
- 2015年8月(3)
- 2015年7月(5)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(2)
- 2015年4月(3)
- 2015年3月(3)
- 2015年1月(2)
- 2014年12月(4)
- 2014年11月(4)
- 2014年10月(4)
- 2014年9月(4)
- 2014年8月(4)
- 2014年7月(4)
- 2014年6月(4)
- 2014年5月(5)
- 2014年4月(4)
- 2014年1月(1)
- 2013年12月(5)
- 2013年11月(4)
- 2013年10月(5)
- 2013年9月(3)
- 2013年8月(3)
- 2013年7月(4)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(5)
- 2013年4月(4)
- 2013年1月(1)
- 2012年12月(4)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(4)
- 2012年9月(5)
- 2012年8月(4)
- 2012年7月(3)
- 2012年6月(3)
- 2012年5月(5)
- 2012年4月(4)
- 2012年1月(1)
- 2011年12月(5)
- 2011年11月(5)
- 2011年10月(4)
- 2011年9月(4)
- 2011年8月(3)
- 2011年7月(3)
- 2011年6月(4)
- 2011年5月(5)
- 2011年4月(4)
- 2010年12月(1)
- 2010年11月(4)
- 2010年10月(4)
- 2010年9月(4)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(2)
- 2010年6月(5)
- 2010年5月(3)
- 2010年4月(4)
- 2010年3月(1)
- 2009年11月(4)
- 2009年10月(4)
- 2009年9月(3)
- 2009年8月(4)
- 2009年7月(3)
- 2009年6月(4)
- 2009年5月(3)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(1)
- 2008年12月(1)
- 2008年11月(4)
- 2008年10月(3)
- 2008年9月(5)
- 2008年8月(2)
- 2008年4月(1)