石井晃のKGファイターズコラム「スタンドから」
(1)芽吹きの季節
春、4月。今季の初戦は22日。相手は日本大学。あの「悪質タックル騒動」以来、途絶えていた関係だが、ようやく試合を再開するまでの関係がよみがえった。双方の関係者はもちろん、ファンにとっても懐かしく、そして楽しい試合が展開されると想定されたのだろう。続々とファンが詰めかけ、ファイターズサイドの応援席は試合開始のはるか前からほぼ満員。
この日は若手OB、OGらの発案で、試合前にファイターズが主催するイベントもグラウンドの一角で行われ、鳥内前監督のトークショーなどで盛り上がった。会費制でホットドッグ風の軽食やアルコール飲料も提供されるとあって、懐かしい卒業生が次々と顔を見せていた。僕が立ち話をした主なメンバーだけでも、2001年度卒業の石田力哉、2004年度卒の佐岡真弐、石田貴祐君らがいる。それぞれその昔、ファイターズを目指し、入試に備えた「小論文の書き方」の勉強会をした頃からの知り合いだが、いまは40歳を過ぎた貫禄たっぷりの「おっちゃん」たちだ。それでも、話し始めると、一気に20年以上も前に時間が戻る。あれこれ話していると、あっという間に試合時間が近づいてくる。
定刻の1時半に試合開始。この日は、前述の通りにOB、OG組織が主催する催しがゴールポストの後方で行われていたため、小野ディレクターらによる場内限定のFM放送は取りやめ。いつもと勝手の違ったスタンドで、一人、メモを取りながら観戦したが、小野さんらの解説がないから、ボールを持った選手の動きを追うのに精一杯。その上、今季から新しく出場するようになったメンバーの名前がすぐには分からないため、1プレーごとにメモを取るのが追いつかない。
加えて、この日の攻撃はランプレーが中心。入れ替わり立ち替わりタイプの異なるランナーが出場するので、プレーごとにその背番号と獲得ヤードを記録し続けるのも容易ではない。
そういう試合で、目に付いたのが。RB陣の充実ぶり。エースの前島君はこの日、リターナーやレシーバーとしての出場はあったが、ランナーとしては出番がなく、代わって3年生以下のメンバーが活躍した。体が一回りも二回りも大きくなって突破力の付いた伊丹君を中心に、同じ3年生の澤井君、2年生の井上君らが活躍。ショートヤードが獲得したい場面では、昨年までほとんど出番のなかった3年生の住田君がパワフルなプレーを見せてくれた。
試合後、記者団に囲まれた大村監督が「今日はランニングバックがよかった。思い切り褒めていたと書いといて下さい」と話されていたが、全くその通り。これに4年生の前島君らが加わると強力なランアタックが期待できる。さらに、この日は4年生のWRが一人も出場しなかったけれども、実績のある鈴木や衣笠が戻ってくると、攻撃の幅が一気に広がり、得点力も上がるに違いない。
そうなれば、この日は目立たなかったQB陣の活躍の場が一気に広がるだろう。そういう意味では、この日のロースコアも全く悲観する必要はない。この日の試合で活躍したメンバーはもとより、思い通りに動けなかったメンバーも、その原因を見つめ、そこから新たな出発を期してもらいたい。
2023年のシーズンは始まったばかり。日大を相手に、自信を付けたメンバーはもとより、苦しい試合を強いられたメンバーのさらなる発展を期待して、まずは今季の応援コラム第1回を締めくくろう。私もまた、せっせとグラウンドに通い、部員の動きを見学させてもらおう。
胸弾むシーズンの開幕である。
この日は若手OB、OGらの発案で、試合前にファイターズが主催するイベントもグラウンドの一角で行われ、鳥内前監督のトークショーなどで盛り上がった。会費制でホットドッグ風の軽食やアルコール飲料も提供されるとあって、懐かしい卒業生が次々と顔を見せていた。僕が立ち話をした主なメンバーだけでも、2001年度卒業の石田力哉、2004年度卒の佐岡真弐、石田貴祐君らがいる。それぞれその昔、ファイターズを目指し、入試に備えた「小論文の書き方」の勉強会をした頃からの知り合いだが、いまは40歳を過ぎた貫禄たっぷりの「おっちゃん」たちだ。それでも、話し始めると、一気に20年以上も前に時間が戻る。あれこれ話していると、あっという間に試合時間が近づいてくる。
定刻の1時半に試合開始。この日は、前述の通りにOB、OG組織が主催する催しがゴールポストの後方で行われていたため、小野ディレクターらによる場内限定のFM放送は取りやめ。いつもと勝手の違ったスタンドで、一人、メモを取りながら観戦したが、小野さんらの解説がないから、ボールを持った選手の動きを追うのに精一杯。その上、今季から新しく出場するようになったメンバーの名前がすぐには分からないため、1プレーごとにメモを取るのが追いつかない。
加えて、この日の攻撃はランプレーが中心。入れ替わり立ち替わりタイプの異なるランナーが出場するので、プレーごとにその背番号と獲得ヤードを記録し続けるのも容易ではない。
そういう試合で、目に付いたのが。RB陣の充実ぶり。エースの前島君はこの日、リターナーやレシーバーとしての出場はあったが、ランナーとしては出番がなく、代わって3年生以下のメンバーが活躍した。体が一回りも二回りも大きくなって突破力の付いた伊丹君を中心に、同じ3年生の澤井君、2年生の井上君らが活躍。ショートヤードが獲得したい場面では、昨年までほとんど出番のなかった3年生の住田君がパワフルなプレーを見せてくれた。
試合後、記者団に囲まれた大村監督が「今日はランニングバックがよかった。思い切り褒めていたと書いといて下さい」と話されていたが、全くその通り。これに4年生の前島君らが加わると強力なランアタックが期待できる。さらに、この日は4年生のWRが一人も出場しなかったけれども、実績のある鈴木や衣笠が戻ってくると、攻撃の幅が一気に広がり、得点力も上がるに違いない。
そうなれば、この日は目立たなかったQB陣の活躍の場が一気に広がるだろう。そういう意味では、この日のロースコアも全く悲観する必要はない。この日の試合で活躍したメンバーはもとより、思い通りに動けなかったメンバーも、その原因を見つめ、そこから新たな出発を期してもらいたい。
2023年のシーズンは始まったばかり。日大を相手に、自信を付けたメンバーはもとより、苦しい試合を強いられたメンバーのさらなる発展を期待して、まずは今季の応援コラム第1回を締めくくろう。私もまた、せっせとグラウンドに通い、部員の動きを見学させてもらおう。
胸弾むシーズンの開幕である。
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